なんだ、これは

この感覚はいつもなのに

押さえが利かないなんて今までなかった

これに理由をつけるなら

それはきっと君のせいだ




「なあ〜んだよ、リーマス!つれないやつだなぁ〜」

「リーマスはきっと女に興味がないんだな」




木陰から突然姿を現したシリウスとジェームズ。

その存在に前から気付いていたのか、リーマスが驚くでもなくゆっくりと振り返った。




「また覗き見?悪趣味だね、二人とも」




にっこりと柔らかい微笑で二人を見た。リーマス特有の笑みである。

そんな微笑に思わず二人もニコッとしてしまう。




「おいおい、そのやさしい微笑みで何人の女子を泣かせたんだ?」




シリウスがわざとらしく深い溜め息をついて見せた。




「シリウスと違うよ、それとジェームズ。僕は男には興味がない事は言っておくよ。」

「それは安心したよ」



ジェームズが笑った。

三人はいつもの如く並んで歩き出した。



自分が好きでもないのに付き合うわけにもいかない。

そんな中途半端な気持ちは嫌だから。

でも、どうして自分は好きな女の子が出来ないのか・・・・

無理に作ろうとは思わないし、やはりどこかにアレの事があるからだろう。

ジェームズとリリーのような素敵な二人にはいつも憧れている。

いつか自分にも、ああゆう付き合いが出来る人が現れるのだろうか・・・・・




「ありがとう、リーマスにもすぐにそうゆう人が現れるさ」




ジェームズの声に驚いてリーマスが振り向いた。リーマスを見ているシリウスがにやりと笑う。




「リーマス、考えてる事が口から出てたぞ」

「本当に!??うわーーー!!」




リーマスが真っ赤な顔で額に手を置いて天を仰いだ。

そんなリーマスを見て二人がクスクスと笑った。




「あの・・・っっ」




消え入りそうな小さな声。

三人はその声に気付かずドンドンと先に進んでしまう。




「すいません!!」




喉の奥から搾り出すように出たその大声は、おもしろいように上ずっていた。

三人はようやくその声に気付き、むしろ大声にビックリして振り返った。

ポカンと口を開けた女の子が、真っ赤な顔で突っ立っていた。

自分で出した大声に自分でびっくりしていたようだ。

その姿がおかしくて、思わず三人が吹き出した。




「ごごごごごご・・・ごめんなさい・・っっ。変な声出しちゃって・・・っっ!!」

「ううん。大丈夫だよ、僕等になにか用があるの?」




呼吸を整えながらリーマスが聞いた。




「あの・・・・っっ、私、ずずず、ずっと好きです!!」




三人の目が一瞬点になる。そしてローカ中に三人の大爆笑が響き渡った。




「ききき・・・君・・っっ、ソレを言うなら、あなたが好きです。とかだろ・・っっ!!??」




シリウスが腹を抱えて今にも崩れんばかりに大笑いをしていた。




「それともう一つ、誰が好きなのか言ってくれなきゃ、僕等困っちゃうよ?」




ジェームズも必死に笑いを堪えようとしていたが、どうにも無理らしい。

リーマスも腹を抱えるような仕草でわざと顔を隠していた。

三人のその姿を呆然と眺めていた彼女が、シリウスの指摘で耳まで真っ赤にしていた。




「リーマスが・・・好きです・・っっ」




覚えたての言葉を使う赤ちゃんのように、シリウスの言った言葉をそのまま復唱した彼女は、

恥ずかしさで下唇をめいいっぱい噛んでいた。




「「リーマスだってさ」」




ジェームズとシリウスがリーマスを肘でつついた。

からかうような二人のその仕草に一瞬二人を睨むリーマス。

その視線に慌てて二人はその場を去った。

リーマスに気を使っての事は、リーマス自信ちゃんと理解していた。




「あの・・っっ、ごめんなさい、付き合って欲しいとか・・っっ、そうゆうんじゃないの!
ただ、どうしてもあなたの事が頭から離れなくって・・・っっ!
だからいっそのこと言った方が楽になるかなぁ・・って」




リーマスは彼女の事を知らぬ間に観察していた。

少しウェーブがかった栗色の髪。不思議と前髪だけはストレートである。

髪の色とよく似たキラキラした大きな瞳は、人種の違いを思わせる真っ黒な色をしていた。

しかしリーマスにとって、逆にその色が安心感を与えていたのだ。

真っ白な肌はいまや見事に真っ赤に染まり、薄いピンク色の唇は緊張のせいか少し震えていた。




この子・・・・かわいいな・・・




今までの女の子と違うのは人種だけだ。

だけど、何故か彼女の姿がまるで人間を初めて見るような衝撃を僕に与えてくれたのだ。




「あの・・・っ、それが言いたかっただけなの!引き止めてごめんなさい・・っ!!じゃあ・・」




クルッと勢いよくリーマスに背中を向けた彼女は逃げるようにリーマスから離れていく。

そんな彼女を無意識の内にリーマスは追いかけていた。




「待って。」




彼女の腕を掴むリーマス。慌てていたせいか思わず力いっぱい掴んでしまった。




「名前・・・、名前教えて欲しいんだけど」




そのリーマスの行動にビックリして振り返る。




・・・・




小さく囁くようなの声に、リーマスが安心させるようにやさしく微笑んだ。




「いいよ、付き合おうか?」









「まじで?!!」




シリウスが食べていた物を吹き出して叫んだ。

近くにいた生徒達がシリウスへ一斉に視線を向ける。




「やだ!シリウスッたら!!」




ジェームズとリリーが慌てて自分の皿を脇へ退けた。




「わ・・っ、悪い!だって、リーマスが付き合うなんて言うから・・・っっ」

「でも、彼女、だっけ?中々可愛かったからな」

「ふ〜〜〜ん、そう〜」




ジェームズの言葉にリリーがわざとらしく声をあげた。




「どうなんだよ?彼女とは?」




シリウスがだらしがない顔でリーマスの方へ頭を寄せて小声で囁いた。




「別に。今まで通りだけど」

「「今まで通りって?」」




三人が興味津々の目でリーマスを見ていたが、当のリーマスはいたって冷静である。




「特にコレと言って何もないけど」

「はあ?!二人で話したり、手ぇつないだり、キスしたり、そんなこともしないのかよ!?」




同調をあをるようにシリウスがジェームズとリリーを見た。

二人も不思議そうにリーマスを見ていた。

シリウスの言葉にリーマスが涼しい視線を流す。




「頭がピンク色なのはシリウスだけだよ。皆が皆そうだと思わないで欲しいね」

「じゃあ、リーマス、彼女とそれから会ったりしてないの?」




リリーが不安げな表情で見つめていた。




「ああ。」




三人が呆気に取られて目を合わせた。

好きだって言ってきたのは彼女からだ。

だから、僕は彼女にどうしたらいいか分からないんだ。

今の僕は彼女をちゃんと好きでもない。

アクションを起こすのは彼女の方からだろう。



そう僕は考えていた

彼女が何故自分に会いに来ようとしないのかとか

そんな彼女の気持ちを

面倒だからとゆう嘘で

僕は逃げようとしていたんだ



月が叙々に丸みを帯び始め

僕の神経が苛立ち始める

こんな感覚は初めてだ

体中が人間を欲する時のように熱くうずき始める

血液が逆流し、押さえようのない興奮が

今までよりも早く感じるようになったのだ

これはきっと彼女のせいだ

そう・・・・彼女が僕の前に現れたからだ



今彼女に会えば、自分がどうなるか分からなかった。

だから、彼女が自分に会いに来なかったのが

じつに僕にとって好都合だったのだ




「リーマス」




談話室で一人、静かに本を読んでいたリーマスが顔をあげた。

少し頬を赤らめ、ぎこちなさそうに微笑んでいるは、

リーマスにとってとても魅力的に見えた。

リーマスの体が徐々に熱を帯び始める。




「やあ、。」

「話があって・・・・今、大丈夫・・・・?」

「全然大丈夫だよ、話って?」




が一瞬ためらったように沈黙したが、リーマスを見るとしっかりとした口調で話し始めた。




「ありがとう。私の事、・・・好きでもないのに付き合ってくれて。
ほんの少しの間だけど、リーマスの彼女でいられてとても幸せだった。」

「何を言ってるの、・・・・っっ?」




一瞬うつむいたは、大きなその瞳にいっぱい涙を溜め再び顔を上げた。

その表情にリーマスの体が固まった。




「私、実は日本に帰るの・・・。だから、
最後にリーマスに気持ちを伝えたくってあの日告白したの。」




ドクン、ドクン、とゆっくり鼓動を打つ音が、次第に大きさを増してゆく。

熱を帯び始めていた体はいまや獲物を狙う狼のような興奮に支配され、

目の前にいるをしっかりと捕らえていたのだ。




僕は今、彼女に求めている

獲物を捕らえ、完全に支配した時の喜びを

彼女に求めているのだ・・・っっ




リーマスが焦るように窓の外を見た。

真っ暗な夜空にぽっかり浮かび上がる月は、

まるでリーマスをたたえるように限りなく丸みを帯びていたのだ

その姿を見た瞬間、リーマスの中の何かが音を立てて切れた。




「リーマス・・・・?」




その異様な雰囲気を察していたが、少し後ずさりしながら恐る恐る声を掛ける。




「それはないだろう、




に背を向けていたリーマスがゆっくりとこちらを向く。

そして人間とは思えぬ速さと力で、一瞬にして彼女を捕らえたのだ。




「リ・・・リーマス・・・ッッ!」




机の上に押し倒されたが恐怖に怯える様な目でリーマスを見ていた。

を逃がさぬようにリーマスの体がの足の間に滑り込む。

そのせいで、スカートが捲くれ真っ白な足が露わになった。




「やだ・・っっ、どいて、リーマス・・っっ!」




は必死でリーマスの体を押して逃げようとするが、

いとも簡単にのか細い両腕をリーマスが机に押し付けた。

大の字の様な格好にされたは、恥ずかしさと恐怖で体を震わせていた。




「君は大間違いをしている。僕が君を好きじゃないと、本気でそう思っていたなんてね」




リーマスがいつも通りの優しい笑みをする。




「僕はいつも冷静に物事を判断する。なのに、君のせいで最近めっきり調子が狂っちゃってね」

「私の、せい・・・・?」

「そうさ。君が現れた。そして僕を好きだと言った。なのに、さよならだって?」




リーマスの表情が一変する。




「僕を狂わせた責任を取ってもらおうか、?」




リーマスの唇が噛み付くようにの唇を奪った。




「んん・・・っっ!」




リーマスに掴まれている両手首に力が入る。

体をよじって逃げようとするを更に押し付けるようにきつく唇を合わせ、

息をしようと大きく開いたの中にリーマスの舌が侵入した。

欲望のままにさし込まれた舌は乱暴に口内を支配する。




「リー・・ッッ、リーマス・・ッッ」




リーマスの体がの足を開かせるようにめいいっぱい前へ移動する。

無残にも開かれた足はなんとか閉じようと空しい動きをするが、

返ってソレがリーマスの興奮を駆り立てる羽目になった。

リーマスの顔が胸元へ移動し、のブラウスにリーマスが歯を立てた。

そして力いっぱいリーマスがブラウスを引きちぎる様に顔を横へ振った。

その瞬間、布地が破れる音と、の小さな悲鳴が談話室に響き渡った。




「今、きみは自分がどんな格好をしているか分かるかい?」




依然リーマスに掴まれた腕はのちょうど顔の横に押し付けられ、

引きちぎられたブラウスからは下着とも破かれ、真っ白な胸が見えている。

両腕で掴んでいたの手首を片手で掴み直し、

空いた片手でゆっくりとの頬に触れた。




「リーマス・・・・ッッ、怖い・・・っ」




しきりに体を震わせているは、リーマスの奥深くに潜む何かをすでに感じ取っていた。

しかし、今のは恐怖のみに体を震わせているのではなく、

ルーピンに触れられるたびに起こる興奮と甘い快楽に浸り始めていたのだ。

ルーピンもそんなの変化に気付いていた。



リーマスがローブから杖を取り出し、一振りする。

杖の先から飛び出した蛇のような縄が、の両手首をバラバラに縛り

それぞれがテーブルの足に巻きついた。

驚いたが何が起こったのか確認しようと顔を上に向けるが、

手首が開かれた状態でキツク縛られていたため、

顔を上げることすらままならなかった。




「外して・・っ、お願いよリーマス!」

「大丈夫、すぐにそんな事は言えなくなるから」




リーマスがの下着を取り去り、暴れる両足を力づくで開いてゆく。




「・・やぁ・・っ、見ないでぇ・・っっ」




リーマスによって曝け出されたソコは、

談話室の明かりのおかげではっきりと確認する事が出来た。

恥ずかしさで顔を真っ赤にさせ体を硬直させている

そんなの姿にリーマス自信も興奮で大きく熱を帯び始めていた。




「こうやって見ると、すごくやらしいね」




リーマスのその卑猥な言葉に、がギュッと目をつむって耐えている。

リーマスの細長い指がその部分をめいいっぱい押し広げ、

入口付近をゆっくりとなぞると二本の指を奥へと沈めていった。




「・・ああっ・・・・」




指の感覚を自分の中で感じ取ったが興奮で体を振るわせた。

力が入った両手首がギシッと音を立てる。

リーマスの指がの一番感じる所を探るように中で動き、

その度にそこから漏れる音が大きさを増していった。




「んああ・・・っっ」




知らぬ間に腰を浮かせ、リーマスが与える凄まじい快楽を求めて声を上げる

それに答えるようにリーマスの指が増やされてゆく。




「もう・・っっ、・・・だめぇ・・っっ」




限界まで来ている事を察したリーマスが、指をゆっくりと引き抜いた。

そして爆発寸前の自分の物をズボンから出すと、十分に濡れたソコへあてがう。




「どうして欲しい・・?言ってごらん?」




吐息交じりのリーマスの声。

リーマスがワザと入口付近で止めて、意地悪く囁く。

は恥ずかしさで目を潤ませてリーマスを見ていた。




「やだ・・・っっ」

「言わないとずっとこのままだよ?」




リーマスが言葉を発するたびに、体が反応し更に濡れ始める。

リーマスの物を必死で飲み込もうとしていやらしくうずく。

それを見てリーマスがニコッと意地悪く微笑んだ。




「い・・・入れてぇ・・リーマス・・っっ!」

「いい子だ」




我慢の限界に達していたリーマス自信が、快楽を求めて奥深くに沈んでゆく。




「き・・っ、きつ・・っっ」




挿入を更に深くしようとリーマスがの片足を持ち上げた。




「きゃあ・・っっ!」




その瞬間力任せに奥へ突き入れ、そのせいで机がギシッと音を立て、

縛られていたの体がほんの少し上にずれた。

されるがままのはリーマスに身を委ねるしかなかったのだ。




「リーマス・・・ッッ、もう・・・だめ・・・っっ」

「ああ・・・」




リーマスが腰の動きを更に早め、結合部分からグチュっと卑猥な音がうるさく響き渡った。

リーマスとの荒い呼吸が次第に重なってゆく。




「リーマス・・・・ッッ、好き・・・ずっと好きでいるから・・・っ」




大きな瞳に涙を溜め、はリーマスを真っ直ぐ見つめていた。

リーマスもそんなを見て、やさしく微笑む




「僕が迎えに行くまで、ずっとそのままで・・」




リーマスがにキスを落とす。

その瞬間が短い悲鳴と共に体を硬直させた。

リーマスも頂点に達し、の中で果てた。







「行っちゃったね、




ジェームズが中庭で静かに本を読みながら、隣にいるリーマスに語りかけた。

本から視線を外さずリーマスがフフッとやわらかい笑みを浮かべた。




「そうだね。」




サーッと心地よい風が吹き、木々の重なりが音を奏でる。




「なぁ〜〜に、かっこつけてんだよ!リーマス。しっかりと結ばれたくせに!」




そんな静けさを打ち破るようなシリウスの大声がした。

ジェームズがプッと吹き出す。




「あれはしょうがなかったんだ、日が日なだけに・・・・」




リーマスが頬を少し赤らめてシリウスを睨んだ。

あの後、ちょうどジェームズとシリウスが談話室に入ってきて、見事にバレてしまったのだ。

不覚だった・・・・




「リーマスも中々やるね。は怒らなかった?半分無理矢理だったんだからね」




ジェームズがニヤッと笑ってリーマスを覗き見た。

その言葉にリーマスがグッタリと首を落とす。




「大丈夫よ、リーマス。にはちゃんと話してあったんだから。」




リリーが三人を見下ろすように突っ立っていた。




「おいおい、何処の馬の骨か分からない女にリーマスの事話したのかよ!」




噛み付くシリウスにリリーがニコッと笑って返した。




「女の勘よ。彼女は必ずリーマスの愛しき人になると思ったからよ」




自慢げにフフンと鼻を鳴らすリリーにジェームズが拍手を送った。




「じゃあ・・僕が人狼だって知ってて・・は僕に抱かれたの・・・?」




読んでいた本がパタッと閉じられる。リーマスが目を見開いてリリーを見ていた。

そんなリーマスを見てリリーがやさしく笑った。




「よかったわね、リーマス。運命の人が現れて。」




あの後、僕を責めるでもなく、避けるでもなく、僕に笑顔でさよならを言ったのは

全てを知っていたからなんだね



僕は正直、君とはこれきりにしようと思っていたんだ

この先、君が僕を忘れてしまう日が来るかもしれない

でも僕は君を決して忘れないよ

このままずっと