狭苦しい空間に、惜しげなく飾られていくクリスマスの飾り
そんなもの、この部屋にはっきり言って邪魔だ。
と、本音をいえるはずもなく、俺はその飾り付けの手伝いをさせられていた
そう、こんなものを置こう!とわめきだしたCP9の長官スパンダムによって。
「おい!ルッチィッ!こっちにもツリーを置け!!」
「・・・・長官。このぐらいで十分でしょ」
「いやいや、まだまだこんなんじゃたりねぇっ!もっと持って来い!」
なんてやたら張り切っている我が長官様にため息をついた。
そんなルッチを横目で見ていたのか、はクスクスと笑いをこぼす
「何がそんなにおかしい」
「いやぁ、長官って普段は私たちにビクビクして全然指示も出せない癖に、
こういうときだけは異常に私たちをこき使いだすなぁ、と思ってね」
「・・・イベントバカなだけだろ」
そう悪態をついて、ルッチは先ほど言われたとおり、
クリスマスツリーをスパンダム指定の場所へと運んだ
「ぃよーっし、ルッチ!あとは飾り付けだ!」
と、飾りの入ったダンボールを渡され、
いやいやながらもその箱を受け取り、ツリーの飾り作業を開始した。
「ルッチィ!私も一緒にやっていい?」
「・・・勝手にしろ」
と一緒にちゃくちゃくと飾り付けていきながらも、
ルッチの意識はここにあらず。といった感じで、
心の中ではスパンダムへの恨みを悶々と唱えていた。
隣ではうってかわってがとてもご機嫌そうに飾り付けをしている。
こんなことなら自分じゃなくに任せておけばよいものを・・・。
と思いつつも、ここで自分が手を止めてしまったら、
スパンダムの機嫌が悪くなるのは目に見えており、
そのことを考えていたら、またひとつ大きなため息がでた
そんなことをしていたためか、ルッチはうっかりガラス製の飾りに手を滑らせ、そして、
パリィーンッ
「・・!?・・・何をやってる!!」
「申し訳ありません」
そう言って、頭を軽くさげて飾りを割ってしまったことの謝罪をしていると、
あ゛ぁあああ!!と怒りが入り混じった叫び声が部屋の中に響き渡って、はっとなって顔を上げた。
「長官、どうなされましたか・・?」
「どうもこうもねぇ・・・!!てめぇ、ルッチッ!これは俺が自腹切って買った飾りだぞ!
よくも壊してくれたなぁッ!それにこれは何気に気に入ってた奴じゃねぇか!
クソッ、何がCP9だ、只の使えねぇガキじゃねぇか!」
「 、」
一方的にスパンダムに怒鳴られ続け、
ルッチは明らか不機嫌になり、スパンダムに向かって軽く殺気を放つ
しかしその殺気を向けられた本人は、怒りで我を忘れているためそのことに気付かず、
ルッチに向かって暴言を吐き続けた。
その光景をみていたは「このままじゃ長官が殺されるなぁ」とのんきに考えた後、
ツリーの入っていたダンボールを手に持ち、そして、
ガシャーンッ
「・・・ん?なんだ・・ってお前何してやがる!?!?」
「ごめんなさーい、全部割っちゃいました」
「舌出してかわいく言ってる場合か!
さっきルッチに俺が自腹切った飾りだって言ったとこだろうが!!!!」
そう、そのままダンボールをひっくり返し、中身全部を床に落とし、割ってみせたのだ
そしてスパンダムの暴言の標的はへと変わり、
もうすぐでスパンダムに風穴を開けるところだったルッチの指も、いつしか構えが解かれていた
「へっへー、起こられちゃったわ」
「・・・余計なことしやがって、バカヤロー」
「だって、あのままだったら確実にルッチが長官殺してたでしょ?
そうなったらルッチが殺されちゃうわ」
「いらん心配だな。」
「そう?」
明らか不機嫌なオーラを出しているルッチに対して、
はそんなことを気にせずにっこりとルッチに話しかけている。
そんなに調子が狂うと感じながら、ルッチは本日何回目かわからないため息をついた
「もしかしたらクビになることもあるんだぞ」
「そうなったら誰かさんが匿ってくれるんじゃなくて?」
「ありえん」
「あら、残念」
そういいながらも顔にはずっと笑みを浮かべている。
「(まったく、この女は何を考えているかわからんな)」
「あ、そういえば今日はクリスマスなのよ」
「そんなことは嫌なほどわかっている。いまさらどうした」
「ふふ、クリスマスの醍醐味、クリスマスプレゼントを貴方に用意しているの」
「いらん」
「そんなこと言わずに受け取ってよ、ねぇ?」
がルッチに向けた目はお願いというより、脅迫に近い圧力が入り混じっていた
しかし、そんなものがルッチに通じるわけもなく、
ルッチは頑なにそれを拒否し、その場から剃で消え去った
「きっと貴方も気にいると思うんだけどなぁ・・・」
あの女は何を考えている。
俺を匿ったりしても、何も得するものなんてないだろうに
それに、この俺にクリスマスプレゼントだと・・?
もう俺は17だ。そんなもの貰って喜ぶほどガキじゃねぇ
まったく、理解に苦しむ。
自室のベッドにもぐりこんで考えていたのはの行動と発言
17になってさえも未だ子ども扱いする彼女に、若干イライラしながらも、
ルッチは目を閉じ、眠りに付いた
「フフ、なんとか言ってもまだまだ子供ね」
ルッチの部屋へと侵入したは、
まだ幼さが残っているルッチの寝顔を見て、微笑をこぼした。
「折角だから、見るだけ見て、受け取るかを決めてね。」
寝ているルッチに言い聞かせるようにつぶやいて、
クリスマス仕様包みで包んでいるプレゼントを枕元に置く
そして、ルッチを起こさないように、とそーっとベッドから離れ、部屋から出る間際に
「メリークリスマス」
といいのこし、は出て行った
しかし人の気配に気付かないはずがないCP9のルッチは、
の気配でばっちり目が覚めていた。
「くそ、なんなんだ。」
まだ若干眠気が残り、部屋の暗い中でのなれない視野の中、
ルッチは枕元においてあるプレゼントを引き寄せ、包みを乱暴に開ける
「プレゼントなんて、しょうもない・・」
ルッチの中でそれが本心だったが、
プレゼントの中身を見た瞬間、口はしはあがり、身震いまでもがした
「まさか、これとはな・・・。」
ルッチが身震いまでしたプレゼントの中身は、
悪魔の実
Merry X'mas