何だか最近視線を感じる。

どこにいても・・。

でも、嫌なカンジの視線じゃない。

むしろ、暖かい優しいそんな視線・・・。

誰が俺を見てるのだろう・・・?




「・・・やっぱり・・・、視線を感じる・・・。」

「どうしたんだい・・?シリウス・・?キミが考え事なんて?」

「・・・ケンカ売ってんのか、リーマス・・?」

「全然。思ってること言ってみただけさ」

「・・・ケンカ売ってんな・・?」



「はーい、ストップ!そこまで!・・・全く何やってるの?二人とも!」

「ほんと、あいかわらずだな。2人とも」

「リリー。ジェームズも、随分タイミングいいね。」

「さぁ、気のせいじゃない?ねぇ、ジェームズ」

「そうだよ!リーマス。それにしても、何でもめてるんだい?」

「いやぁ、シリウスがめずらしく考え事してるんで、ちょっと聞いてみただけだよ?」

「・・・・・・やっぱ、ケンカ売ってるだろ?お前!」

「はーいはーい、また振り出しに戻らない!・・・で、何考え事してたの、シリウス?」

「・・・・・・・・・・・・」

「何で黙ってるのさ?言わなきゃわかんないだろ?」



「・・・・・・・視線を感じるんだ・・・」

「「「視線・・・?」」」

「・・・・そう、視線。誰かにここのところずっと見られてる気がする・・」

「・・・・自意識過剰・・・?」

「熱は・・・ないわよね・・?」

「早く寝たほうがいいぞ、シリウス!」

「・・・おまえら・・」



「・・・というのは冗談で。・・・・シリウスが気になってる視線の先、私知ってるわよ?」

「えっ!・・・ほんとか!リリー!」

「ええ。シリウス以外は、ジェームズもリーマスも知ってるわよ?」

「・・・ええ!・・・・何でだよ、俺以外知ってるって!」

「・・・だって、すっごくわかるわよ。同じ寮の同じ学年の子だもの。」

「・・・それ・・・ほんとか?」

「嘘言ってどーするのよ?ねぇ、みんな」

「「そうそう」」

「・・・頼む!教えてくれ!どんな子だ?なぁ、頼む!」



「・・・はいはい、仕方ないわね。えっと、名前はちゃん!
日本っていう国から来たんだって。
まだ、英語は完璧じゃないから、いつもだいたい1人でいるみたい。
話しかけても、逃げちゃうのよね・・。」

「そうそう。僕、この間お菓子食べる?って話しかけたら、逃げちゃったよ。」

「あー、そうだったな。また、逃げ足が速いんだ。あの子。」

「・・・・・おまえら・・・いつの間に・・・」

「だって、1人でいるから気になって。一緒に遊ばないかな?と思って、見てたのよ。
そしたら、気がついたの。彼女がいつもシリウスのこと見てるの。」

「うん、ずっと、見てる。あの子。」

「・・・あれは、シリウスに惚れてる目だね。」

「////////」

「あっ、噂をすれば・・・本人が来た!」

「えっ・・!」




振り返って俺が見たその子は、長い漆黒の髪と象牙色の肌をした、

とても小さいかわいい女の子だった。

何よりも彼女の瞳が俺の心を深く捉えた。

・・・・そして、気がついたんだ・・。

俺を見つめていた視線の先を。

彼女だって・・・。

すごく暖かい、優しい視線。他の女達とは違う視線。




「俺・・・話してくる・・!」

「「「えっ!シリウス!」」」




みんなの声が聞こえたけど、そんなのどうだってよかった。

今、この瞬間を逃したら、もうチャンスはないような気がしたから。

急いで駆け出して、彼女の前に俺は立ちはだかった。

こうしなきゃ、きっと逃げ出してしまうから。

俺の目の前にいる彼女は、本当に小さくてとっても華奢で折れそうなくらいだった。

そんな彼女は俺を見て顔を真っ赤にして、口をパクパクさせてる。

それがかわいくて、少し笑ってしまったが、とりあえず話しかけてみる。




「・・・・ ちゃんていうんだよね?」




赤い顔がさらに赤くなる彼女。




「・・・え・・・あ・・・あの・・・・何か・・・その・・・」

「・・・すっごく、ストレートに聞くけど、・・・・俺のこと見てた・・?」

「・・・ええ!・・・・あ・・・あ・・・・そ・・・」

「・・・いつも・・・見てただろ・・・?俺、視線感じてたんだ・・・。」

「あっあの・・・・ごめんなさい。その・・・ごめんなさい。」

「何であやまってんの?・・・俺、怒ってないだろ?」

「えっ!・・・・怒ってないんですか・・・?」

「・・・・・やっぱり、 ちゃんが見てたんだ。俺のこと。」

「//////」

「・・・俺のこと、何でみてたの・・・?」



「・・・・えっ!それは、その・・。あの・・・。」

「・・・・・俺のこと、好きなの・・・?」

「////////!」

「・・・・あたり・・?」

「・・・・・・はい・・・・」

「そうなんだ!・・・・安心した。」

「・・・・安心・・・?」

「そう。俺のこと好きでいてくれて。・・・だって、俺も ちゃんが好きなんだ。」

「・・・・ええええ!/////」

ちゃんの視線が・・・ずっと気になってた・・・。誰が俺をみてるんだろうって。
でも、嫌なカンジは一度もしなかったんだ。視線の先にいる誰かのことをずっと考えてた。」

「・・・・あ・・・あの・・・」

「ずっと、思ってた。・・・・その相手が今目の前にいる。俺、ほんと嬉しいんだ。」

「・・・・・シリウス・・・君・・」

「名前・・・初めて呼んだな」

「あっ!/////」

「シリウスでいい。今から、俺たち恋人同士だから。なっ?」

「ええ!/////・・・・そんな・・・・あの・・・」

「行こうぜ! ・・・・!」

「!・・・・はい。/////」




キミの視線は熱視線。

俺の心を動かすくらい。

この先もキミの瞳に溺れさせて・・・。