巨大すぎる尻尾爆発スクリュート。

迷霧。

真似妖怪。

アラゴグの子供及び孫数匹。

スフィンクス。

プラスして、ムーディの使ってくるであろう服従の呪文。

それにかかった生徒の動向。




「・・・・・・・・凄まじいな」

「私の薦めた呪いを最低4分の1をハリーが習得しているとしても、
30分、もしくはそれ以上。でも、1時間はかからないでしょうね」




羊皮紙に描かれた小さな絵画たちが動き回る。

忍びの地図があればよかったのだがそうも言ってられない。

忍びの地図もどきの即席だ。

どれほどオンタイムで反映されるのかは判らない。



ハリーと示された点は、先程入り口をくぐったが、

計算よりもはるかに遅い速度で進んでいる。




「遠くなればなるほど遅くなるということね」




それからはやきもきする時間が続いた。

まだかまだかと待っていれば、

空に打ちあがった赤色の火花。

一度目に打ち上げられてから数分。

運ばれてきたのはフラー。




「やっぱりだわ」

「どうした?」

「さっきまでこの付近にいたの」

「姿現しでもしない限り有り得ねぇ現象だな」

「気付くのが遅すぎた私の失態よ」




まあ、そんな事言ってもしょうがないのだが。

フラーを見送って直ぐだった。

2度目の赤い火花が散ったのは。

地図もどきを覗けば、動いていない影が3つ。




「・・・・・・訳が判らないわ」




ハリー、クラム、ディゴリー。

固まった3人の影。

おそらく誰かがリタイアしている筈なのだが、

いかんせん。

この地図でははかりかねる。




「ハリーが出発して何分経った?」

「25分35秒」

「もう、次の段階に行っていてもおかしくないわね」




地図を辿れば、直ぐ左にスフィンクス。

右側にアラゴグの子供か孫か。

四方位呪文は会得しているといっていたから、

どちらかにぶち当たるだろう。



案の定、スフィンクスと描かれた点の前にハリーが、

蜘蛛のもう少し後方にセドリックと描かれた点が佇んでいる。

のろのろと、砂時計の砂がことりことり。




「どちらかが優勝杯についていてもおかしくない時間ね」




この地図が少し過去を写すなら、少し早いかもしれないが、

それに越した事はない。

持っていた箒を取り出し、

入り口から中へと進もうとしたその時だった。



じゅっと焼けるような音がして、

の耳が紅く光る。

声にならない叫びは、空気を震わせ、

巡回から一度戻ってきたスネイプに、勿論、届いていた。




!!!」



芝をかきむしりながら、

必死に痛みに耐えている

フィルタスは瞬時に悟った。

遅すぎたのだと。




「フィルタスっ!!」

「分かった」

「どうしたのだ!」

「今すぐ向かいなさい!!私も直ぐにっっ!!」




今度は射すような痛みだ。

それはスネイプの腕にも来ているはず。

浮かび上がった髑髏と蛇が、早く行かなければと急かす。




「まさ・・・か」

「セブ!私を校門の外まで連れてって!!早く!!」




ざわめき始めた生徒達。

だが、そんなものかまっていられない。

怪訝な目つきになり始めたダンブルドアを素通りして、

スネイプはの言葉に従った。



校門を一歩出た瞬間に軽くなった腕の重みは、

いったい何処に向かったのだろうか。

そんな事、自分が良く分かっているはずなのに・・・・。




「セブルス・・・・どうゆう事じゃ」

「・・・・・・・・・・・・」

「迷路の中を調べた方が良さそうかの?」

「彼女の帰りを待っているのが得策かと・・・・」




嘘だ嘘だ。

本当は駆けつけなければならない。

その場所も知っている。

けれど、言うわけにはいかない。

我が君の、大切な宴・・・・。











が墓場にたどり着いたとき、

フィルタスは既に、ハリーとセドリックの死体を背に、

ヴォルデモートと退治していた。




「来たか。裏切りの娘よ」

?」

「ハリー・・・・平気?」

「ボクは・・・でも、セドリックが・・・・・」

「悪い。間に合わなかった」

「仕方ないわ」




ヴォルデモートの眼も、死喰い人の眼も、

彼女の耳で光る紅のピアスに釘付けだった。

耐えろ耐えろ。




「選別中だったのでは?」

「貴様・・・・貴様が何故その・・・・」

「ピアスを持っているかって?」




自分が愛した人に与えた、たった一つの契り。

自らの手で壊した命。




「貴方の残した日記の方が、幾分か頭が良かったようね」

、口が過ぎるぞ!!」

「少し口を噤みなさい。マルフォイ。耳障りよ」

?」

「ハリー、言った事は覚えてるわね?」

「え?」




その時何故か、

あの言葉だと、脳にはっきり聞こえてきたのだ。




「シアワセは生きなきゃならない」