久しぶりにみんなと会いたいな。
なんて、思わなければ良かった。
「え?」
扉を開けて愕然とする。
暫く天空闘技場に行っていただけなのに、
人っ子一人居ないなんておかしい。
少なくとも、クロロは居る筈なのに。
クロロには、此処しか帰る場所がない筈なのに。
「なんで?クロロ?クロロいないの?」
広間、キッチン、2階の各々の部屋。
それから屋上。
「クロロなら居ないよ★」
「ヒソカ。何処にいるか知ってる?」
いつも涙を拭ってくれる、その指が指し示したのは下で。
佇むのは、冷たい石と花。
「え?」
「ボクが殺しちゃった◆」
「そうゆうの嫌い」
「なんなら見てきたら?」
「っ!」
飛び降りて、石に刻まれた名前を見た。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
「ね★」
「嘘吐き。嘘吐きヒソカなんて嫌い」
「酷いな◆ボクとの仲なのに★」
いつもみたいな嘘だ。
クロロだって、古本屋に出掛けているだけ。
みんなはそれぞれ休暇中で・・・・。
「これからは2人っきりだねvv」
掌に何か、触れただろうか。
自分が息をしているのかしていないのかすら分からなくなる。
どうして。
どうして。
涙が止まらない。
嘘だと信じたい。
首から回された、太い腕。
嗅ぎ慣れた、化粧品の匂い。
貴方だけなの?
いつも傍にいてくれた貴方が、
あたしが傍にいたい人を殺したの?
「ヒソ・・」
「ヒソカ!!それ以上に近づいたら八つ裂きしてやる!!」
「もうちょっとで君達のこと聞き出せたのに★」
「俺等のことどう思ってるか聞き出すのに、
抱きしめる必要はないよね?」
「怖い怖い◆」
「やっぱこんな変態に頼むんじゃなかったよ!」
「最初から間違てたね」
「嗚呼糞っ!」
嘘だって知った。
みんなで嘘を吐いてたって知った。
「どうゆう・・・」
「今日は4月1日だよ★」
「それで、みんなして、嘘、ついて?」
「団長がは私達のこと嫌ってるなんて言い出すから」
「だが・・・・」
「ほら、団長の所為で泣いてますよ?」
「ボクは止めた方が良いって言ったんだけどね?」
「?許してくれ。
俺は嫌われたかと心配で心配で・・・」
「・・・・ぃ」
「なんだ?」
「みんな嫌い!!!!」
涙目で叫んだ。
強く握られた手。
其処から滴り落ちる紅い色。
俯いて顔を上げない。
地面に吸い込まれていく雫は、止まることを知らず、
雨の後のように、湿らせていくばかりだ。
「、頼む許してくれ。
俺はに嫌われたらどうやって生きていけば良いんだ!」
うわぁぁぁ。
と、頭を抱えて悩み出した。
クロロを、肩を振るわせて見つめる団員達。
「ほら、、ハンカチ。もう良いよ。泣き止んで」
「うん」
「ちゃんと撮たね」
「後で鑑賞会しようか」
「あたしの部屋にビデオあるよ」
「じゃ、そこで」
「?」
「ゴメン。ね?」
笑いが拡がった。
嘘の上の嘘。