母の日に、ああやって感謝を伝えてくれたのだから、

一応のところその位置にいるかもしれないと思う俺にも、

何かしてほしいと思っただけで・・・。




「何・・・・してるんだい?」

「さあ」

「来たらこの状態だたよ」




アジトの隅の方で泣き崩れる団長。

監視するクロノス。




「ヒソカ、マチ、フェイタン。良かった来てくれて」




まるでクロロがいないかのように振舞う

その神々しい笑顔が、これでもかというほどに刃となって、

団長を襲う。




「1人で食べきれなくって。どうしようかと思ってたの」



「何?ヒソカ」

「団長に、何した・・いや、なんでもないよ★」

「そ?」




あまりのその笑顔に、

あの奇術師でさえしり込みするほど。

面倒くさい。

非常に面倒くさいけど聞いてくるわという目配せをし、

マチはうんざりという表情を隠そうともせず、

クロロの元へと向かった。




キッチンから聞こえてくる談笑。

拒絶はされるものの、

冗談だということが見て取れる。

それが、今日はあまりにも真剣で、本当に泣き崩れるしかなかった。




「で、どうしたんだい団長」

に・・・」

に?」

「父の日のプレゼントはで良いと朝・・」

「一生ここで泣いてな」




救いようが無いというのはこのことを言うのだろう。








とは言ったものの、その日の終わりになっても、

その状態はなんら変わらなくて。

あまりにも痛々しすぎる姿に、

結局の処、ため息をついて近づいていくのは自分なのだけれど。




「クロロ莫迦」

〜〜〜〜〜〜」

「聞いて」




ちゃんと。

聞いて。




「貴方の子になった覚えはありません」




あたしと、あなたの関係は。

そうじゃなくて、そうじゃなくて。




「ただの名称だけでもイヤだって思うの」

「そうか」




夕日に照らされた整った顔。

恋人とか、名称でつながるのではなくてもっともっと。

それはあまりに我が儘なのかもしれないけれど、

だけれどあたしの願いでもあって。

それを、貴方は、許してくれたでしょう。

だから怒った。

冗談にでも、そうやって言った貴方を。




「晩ご飯、食べに行こう」

「嗚呼」