何処からかやって来て、
果敢にも、赤髪海賊団に喧嘩を売った船が一隻、
オレンジも飲まれそうな海に消えて行った・・・。
「今日も良かったなお頭!」
「相手の船長見たかよ!腰抜かしてやんの!」
「アジール、けが、だいじょうぶ?」
「になにもなければそれで良い」
「おれはへいき」
今日も今日とて、みんなが守ってくれるから。
と言っても、また、性懲りもなくさらわれそうになって、
涙目で切り抜けたことは言わないで置く。
勿論、それを見た幾人かが、鼻血を出して倒れたことも、だ。
「〜〜〜〜〜」
「わっ!」
自分の体重も考えずに雪崩れ込んでくるシャンクスを、
今の華奢な腕で支えられる筈もなく。
「俺も格好良かっただろ?」
「おもいっ、いたっ・・・」
「その辺にしとけ」
「イヤだ!」
「何処の餓鬼だお頭!!」
「だって喜んでんだろ!」
「(何処がだ!!!潰れる・・・!!)」
いつも通りに、ベックマンが止めにはいるけれども、
何故だか今日は、離してくれなくて。
本気で砂浜に沈んでしまいそうだ。
「〜〜好きだぞ〜〜〜」
「(まじで・・呼吸が・・・っ!)」
「お頭、マジ酔いしてんじゃね?」
「そりゃ不味いぞ・・・」
「、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないじゃろ。この餓鬼が」
「お頭、好い加減に・・」
「シャンクス」
鶴の一声。
頬ずりしていた彼の行動が止まる。
少し充血した眼が、を見つめる。
ふるふると震える身体は、本当に呼吸困難なだけなのだが、
いかんせん。
体制が体制なだけに、
いかがわしい妄想をするにはもってこいだ。
「どっっどっどどどどうした?」
「おれ・・・・い(逝)っちゃうよ・・」
ずっっさあああああああ。
「どこで覚えたんだ。そんな言葉」
「シャンクスが、たたかいのときにさけんでた」
「現況はいつでも奴じゃな」
海に突っ込んで、
べっちゃべちゃになってしまった船長を見ながら、
呆れ顔になってしまうのは、仕方のないことなのだ。
彼が彼である由縁でもあるのだから。
「おさけにはのまれるなってことだね」
「耳が痛いことだな?お頭?」
「くっそ〜〜!!お前も飲め!!」
「誰がさせるか」
「カルヴァドス!頭が堅えぞ!!」
「そうゆう問題ではない」
「(未成年どころの騒ぎじゃないしな)」
這い蹲ったまま、カルヴァドスのズボンを掴む、
ずぶ濡れの船長は、
はっきり言って、気持ち悪いことこの上ない。
まあ、がそれを口にしようものなら、
更に面倒くさいことになるので言わないが。
「こいつ、どっかに転がしとけ」
「、お前はジュースだ」
「ありがとう、カルバドス」
「((((かあわいいなあ・・・・・))))」
笑顔になれば飴ちゃんをくれるなんて思考、
良い子は持たないようにして欲しいものだ。