「いいか?今日1日だけだ」
「うっうん」
「明日の朝には出してやれる。
むしろ日付が変わった瞬間に出してやるからな!!」
「わか・・・った」
「うらむなよぉぉぉぉ!!!」
ばたんっと閉まった部屋の扉。
がちゃりと錠までかけられて。
いつになく真剣なシャンクスを、気持ち悪いとか思ってないからな。
だがしかし、
1日部屋から出るなとのお達し。
どうゆう事だかさっぱり判らない。
「・・・・・・はあ」
ベックマンにもらった本を開きながら、
何故、自分は此処に閉じ込められているかを考察する。
敵船なら、今頃上がどんちゃん騒ぎになっている筈だし、
何かしようとしてるなら、
シャンクスも一緒に残るだろうし。
「ひま、だなあ」
いつもこの時間帯は新人と一緒にモップがけをして、
その後は昼食の用意を手伝って、
午後から医療と剣術の稽古を付けてもらって、
3時のおやつを食べた後は、
ベックかヤソに銃を教えてもらうのだ。
近頃あっとゆうまに1日が過ぎてゆく。
時計の針が進むのが遅くて、
何度も何度も見直した昔なんて、
まるで無かったみたいだ。
あっとゆうまに過ぎていく日常が、
こんなにも楽しいものだとは知らなかった。
自然とほころんだは、次の瞬間、
顔を歪めなければならなかった。
凄まじい殺気だか覇気だかに。
「っ!!」
息苦しい。
これは絶対、いつもみたいな雑魚じゃない。
それを感じ取っていたという事か?
まさか・・・・。
の部屋は甲板からすぐにある。
言うことを効かない身体に鞭を打って、
必死に天窓を覗けば、其処にいたのは、赤目の鷹で。
あまりの衝撃に数秒固まって、落ちた。
「まじで?」
まさかホントに、鷹の目のミホーク・・・。
「会いたい」
は鷹の目の生き方が好きだった。
こう、なんとなく男って感じで。
けれどなんだ?
目があった気がするなんて。
「そんなわけないよな」
1人で喋って、はははっと苦笑する。
なんだかそれが悲しくなって直ぐ止めたけれど。
なんだか廊下が騒がしい。
「?」
「そっちはダメだ!」
「何故だ」
「其処は俺の宝が仕舞ってあるからな。
流石のお前といえど見せるわけにはって・・おい!!」
「此処で刀振る気か」
「船が壊れるわ!!」
「扉のみを切ることくらいわけない」
「だからって大物抜くな!!」
これは、なんだ?
こう、命の終わり、的な?
とりあえず扉から出来るだけ離れていた方が良さそうだ。
そう思ったが早いか、物凄い勢いで吹っ飛んでいった扉。
鷹の目は、非常識人だということを能に刻み込んでおこう。
いや、もうこの世界で常識云々無いもんな。
そうだよな。はは。
「!!」
「シャンクス・・・」
「無事か!?傷一つ着いてねえか!?」
「だいじょうぶ。だいじょうぶだから」
そもそも抱きしめたまま、
傷の有無なんて見られない気がするのだが。
「はじめ・・・まして」