君に言っておきたい事なんてなかったけれど、
少し、気になって。
だってきっと、原作どおりなら寝込んでるんでしょ?
「こんにちわ。お邪魔します」
「なっなにしに来やがった!!」
「そんな一瞬で臨戦態勢取らなくたって。クラピカ、平気そうで良かった」
「・・・・・・何の用だ」
「倒れてるかなと思って」
どうしてこうも、態度が変わらないのだろう。
センリツが微笑んでいるという事は、
偽者ではない筈なのに・・・・・。
自分は、彼女の大事なものを奪った者だ。
「嫌われたいって顔してる」
「っ!!」
「あたしね、クラピカの事好きだよ」
「なっ///」
「初心だなあ」
「うっうううるさい!!」
「落ち着け?」
先ほどまで臨戦態勢を取っていたレオリオに肩を叩かれる。
ぽふりと鳴った音は、あまりにも間抜けで、
センリツが噴出したのを、クラピカはギリッと睨み付けていた。
「あたしが、異質だって知った後でも、
変わらなかった態度の人なんて僅か。それがあたしは嬉しかった」
「・・・・・・・・だが、私は・・」
「嫌われたいなら嫌うけど?」
人の汚点を探すことほど、簡単な事はない。
「いや・・・・」
「うん。嫌われたいって言われたらどうしようかと思った」
が笑った瞬間に解ける緊張の糸。
ふらりと傾いた彼の肩を支えて、
無理しなくていいよとまた笑えば、不器用に笑い返すクラピカがいる。
「2人ともこれからどうするの?」
「オレは国に戻って勉強だな」
「医者になるんだっけ?」
「希望だ希望」
「動いている間は大丈夫だよ」
ただ純粋なままに、目指して。
転んでも、汚れても、純粋なココロだけ失わなければ、
貴方はきっと平気だと、そう思える。
けれど、頑張ってとは言わない。
「クラピカは?」
「ボスが戻ったなら、私も戻らなくては」
「そっか・・・・」
「今からゴン達の所へ行こうと思ってたところだ。一緒に行くか?」
「・・・・・・・・・」
「どうしたのだ?」
「うん。行く」
あまりの態度の変化に、少しばかりクラピカを凝視してしまった。
直ぐに嬉しくなって、満面の笑みを浮かべたけれども。
「まだ熱が下がったばかりなの」
「平気。あたしが無理させないから」
「・・・・気絶させてでも持って帰ってきそうだな」
「そんな事ないよ」
「気をつける」
「なんでクラピカが言うの?」
センリツとレオリオの見送りの中、
2人は中睦まじく歩き出した。
其の頃の旅団はというと・・・・。
「うわ。手、繋ぎかねない近さだね」 シ
「は誰に対してもあんなだろ?」 マ
「まあねえ」 シ
「あれが鎖野郎よ」 パ
「なんだと!!今から殺りに・・」 ノ
「莫迦か。今出てったら、が死ぬ」 フ
「わりい・・・」 ノ
「気をつけてよ。がもういないなんて知ったら団長・・」 シャ
「想像するに難くないな」 ボ
「団長、莫迦だから」 コ
「だな」 ノ
物陰から優しく見守っておりました。
「おい、何やってんだよ」 フィ
「なんだ。もう競売終わったの」 シャ
「まあな。あいつ等に会ったぜ」 フィ
「そう。ちょっと黙って。今はそんな事どうでもいいのよ」 パ
「あ、転んだ」 シ
「コルトピ!!」 マ
「ごめん。つい」 コ
「ついで飛び出してたら、の命がいくつあっても足らないよ」 シャ
「何見てるね」 フェ
「だ」 ボ
「気付かれるだろ」 フィ
「は今、念が使えないんだよ?」 マ
「そうか」 フィ
「やぱりお前莫迦よ」 フェ
「なんだとっ・・」 フィ
『煩い!!!』
気付いてない・・・・と思いたい。
クラピカも気付かず通り過ぎていったところを見ると、
やはり腐っても幻影旅団。
それなりの実力者が集まっているということなのだろう。
「そういえば、これからどうするんだろうね」 マ
「偽りの卯月はヒソカだったわけだから・・・・」 シャ
「これからはヒソカにべったりかあ」 シ
沈黙。
「団長気付いてるかな?」 コ
「気付いてないんじゃねえの?」 フィ
「気付いてないに10万ジェニー賭けてもイイね」 フェ
「同感ね」 パ
何処にいるやらわからないクロロが、
どうかこの事実に気付いて発狂しませんようにと、
切実に願う旅団員達であった。