「もしもしヒソカ?GI、まだ手に入らない?」
『今、そのゲームの中にいるよ★』
「・・・・・・・・・・・はい?」
『クロロの所にあるから、察しは付くだろ◆』
「何が。手に入れたら連絡頂戴って言った」
『クロロが、安全確認してからでないと、
を連れて行くなってうざ・・じゃなくて、煩くてねvv』
「うざくて、で?」
『今、安全確認の最中★』
無機質な機械音から流れる声と、怒りのオーラが、
部屋の大半を占めていた。
死ぬこともあるゲームに、安全も何もないだろう。
「、行くの?」
「うん?」
『ゾルディック家にいるのかい?』
「言ってなかったっけ?」
『聞いてないねえ◆クロロにも言ってないんだろ?』
「連絡取ったら死ぬのに?」
その報告を聞いた時のクロロの取り乱しようを想像して、
ヒソカは怪しげな笑いを漏らした。
其の時、ゲームの中で、ヒソカを中心にクレーターが出来たのは内緒。
「行かせない」
「まだ行かないから大丈夫だよ」
「ホントに?」
自分の横に寝転んで、
上目遣いで首をかしげる彼に、
やっぱり策士なのではなかろうかと、
の脳内で、イルミは天然じゃないかも疑惑が回り始めた。
『来ないのに電話したのかい?』
「もうそろそろ手に入れててもおかしくないのに連絡がなくて心配だったの」
「オレより?」
「イルミはあたしが心配するような事、何もしてないでしょ」
「じゃあする」
「しなくていいです」
『、ボクと電話してる事忘れて・・』
「ないから大丈夫」
『本当かな?』
「本当だって」
太ももに顔が近い。
今にも舐めてきそうなイルミを手で制しながら、
は電話で応答を続けていた。
「12月中旬くらいに行きたいんだけど、ダメかな?」
『問題ないよ★』
「クロロにもそう、言っておいてくれる?」
『はいはい◆』
「あ、後、除念した後、1年くらい口きかないって」
『vv』
「ヒソカ」
『なんだい?』
「怪我しないでね」
『まだ、のお願いは有効だよ★』
「だといいけど。それじゃあ、また連絡する」
ぷちりと切った携帯電話を、ひょいっと取り上げられて、
右を見れば、思いっきり外にぶん投げそうな勢いのイルミが其処に。
「それは流石にダメ」
「、連絡したらいなくなる」
「それまでまだ2ヶ月もあるよ?」
「短い」
「今までにしては長いと思うけど・・・」
「一生此処に監禁しといてイイ?」
「いや、ダメだから」
心配だったの。
怪我しないでね。
自分には、一度だって言ってくれた事がないのに。
くいっとスカートの裾を引っ張れば、こちらには向いてくれるけれども、足りない。
「」
「ん?」
「」
「どうしたの?」
「寒い」
「布団かけて寝ないから」
いくらまだ秋とはいえ、油断禁物な時期だ。
ぐいっと引っ張れば、そのまま寝転ぶ形になる。
もちろん、頭をぶつけた後で・・・だが。
「イルミ・・・・」
「寒い」
胸に顔をうずめて、ぎゅっと背中に手を回す。
1つの溜息と共に、自分の背中にも回される腕。
アタタカイ。
ヒソカ、行くのはもう少し遅くなるかもしれません。
だって、あたしが飼っているのは、
親離れなんてまだまだの、
我儘し放題だで、
おやつも作ってあげなきゃ機嫌が急降下する、
添い寝もしてあげなきゃならない、
甘え上手な子猫ちゃん。