例えば其れは、成長の度合い。




「なあなあ、もやれば?面白いぜ?」

「あたしのスカートの中が見たいの?」

「そんな事言ってねえだろ!?」

「是非やったらどうだい?」

「変体」

「おっオレも・・・・?」

「ヒソカと一緒」

「どんまいキルア」

「諦めるんだわさ」




一株や二株や三株くらいの不安はあれど、

強いし、まあ、いいんじゃないかという結論に至ったらしい4人は、

そのままツェズゲラのところへと移動している。

道中やはり、念のことについて聞かれたが、

が答える前に、クラピカが許してくれたんだってと、

そりゃもう、邪気のない笑顔でゴンが答えてくれた。

何かがばれそうになる不安なんて、本当に一欠けらもない。




「2人より高く飛んだら何かくれるの?」

「年下にたかる気かよ!!」

「勝負を吹っかけてきたのはそっち」

「まあ、確かにそうだね」

「負けなければいいだけでしょ?」

「チョコロボ君!!」

「オレは何にしようかな・・・・」

「勝ってから考えたら?」




そう言ったのと同時、地面を蹴る。

話していたツェズゲラたちがあんぐりと口を開けるほど。

下にいる2人が赤面するほど。

ヒソカがにんまりと笑うほど。

は遥か上にいる。




「くっそお!!俺等だって、めちゃくちゃ修行したんだぜ!?」

「みたいだね」

「何者だ・・・・」

「チョコレートアイスクリーム食べたい」

「買って来りゃいいんだろ!」

「よろしく」

「スパッツ履いてるんだ?」

「流石にパニエだけじゃ心許無いから」

「凄いね!!」

「ありがと。でも、ゴンもいっぱい頑張ったんでしょ?」




量は多くなかれど、

垂直飛びなら、ずっと流し続けるだけで上に行ける。

エレベーターのように。

すいーっと。




「スパッツなんてナンセンスだよ◆」

「ヒソカみたいな変体の人予防」

「酷いなあ★」

「それより、どのスポーツにするか決めようぜ」




それよりで通り過ぎていい問題ではない気がするが、

ヒソカの変態度になれてしまいかけている2人は、

さっと、輪の真ん中へ向いた。



何がしたいと、そういう事はなくて。

ただ、誰にも、怪我はして欲しくないと、

自分が倒れないために。

単なるエゴの塊。

それに気付いて、それでもイイコをしていたい自分は、

やっぱり、馬鹿で阿呆で救いようがないのかもしれない。




「じゃ、は補欠な」

「うん」




離れていく背中。

自分とは違う世界へ行く他人。

変わったと思い込んだココロ。

結局のところ同じ海を彷徨い続ける身体。




はいいのかい?」

「一緒に行くって言っただけだし」

「やりたい事があったんだろう?」

「そうかもしれない。そうじゃないかもしれない」




やっぱり判らない。




〜〜〜!!置いていくよ」

「ゴメン」




置いて行って。

何処かへ。

置き去りにして。

此処で。

そうすれば、悩む事無く壊れた筈。

やっぱり導が欲しい。

決められないあたしを・・・どうか。




「ん〜ゴン★」

「何・・えっ??」

「おまっ何、泣いてんだよ!?」

「ゴンが泣かした◆」

「オレ?なんで?!」

「なんでもない。ヒソカ・・・余計な事」




しないでとヒソカに抱きつく君を、

俺たちはやっぱり見ているしかないみたい。

だって所詮、まだ12年しかこの世を見ていなくて。




「我侭だから」

「その我侭を許したのはボクだろうvv」

「もうちょっと考える」

「そ★」

「手、離さないでね」




ヌクモリを感じて、脳味噌よ落ち着け。

少しばかり時間を・・・・。




「ゴメンネ」

「理由もないのに謝らないで」

「でも・・・・」

「ゴンの所為じゃない。あたしの所為だから」

「吃驚さすなよ」

「泣きそうにないって?」

「いや、まあ。なんとなく」

「うん。頑張る」




怒れるように。

笑えるように。

眼に涙を浮かべたままの笑顔。

少しばかり上気した頬。

それは情事後の顔に似ている気がした。

だから、




ちゅっ。




「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「誘ってるようにしか見えないよ◆」




何人もの叫びが森を騒がすまで、

後、

数秒。