「それじゃあ、行こうか★」
「ん」
「気をつけるのよ」
「何に?」
「・・・・・・・・・」
皆の視線が向く先に、自分の導がいる事を、
何故だかとてつもなく強く感じ取って。
「判った」
「変体にも十分気をつけるんだよ?」
「・・・・・・出来得る範囲で」
「あんたの出来得る範囲は貞操を投げ出してるようなもんなんだからね!!」
「すみません」
「ボクとの仲に嫉妬かい?」
「重い」
「もっと他のリアクションがあるでしょうが!!!!」
乗っかってきた奇術師をどけながら、
でも、アタタカイもの。
と笑えば、彼らは何も言えなくなるのだ。
もう一度別れを告げて、2人は団長復活の引き金へと、歩を進めた。
「・・・・・・」
「また会ったね」
「今度は何の用だ?もうタダ働きはしないぞ」
「ん〜いくらでも払うって言ってたけど」
「金額は問わない◆解いて欲しい念があるんだ★」
「ヒソカは黙って立ってて。アベンガネさんが引いてるでしょ」
「も嫉妬かい?嬉しいねえvv」
「で、どうですか?」
「いくらでもと言ったな」
「言いました」
少し考え込んだアベンガネは、
カウントダウンを解くまで待って欲しいとだけ告げた。
「それじゃあ、待ってます。この先のあの店で良いでしょう?」
「その店がどうかしたのか?」
「もし、解いた後、請け負いたくないと思ったら来ないで下さい」
「来たら請け負うという返事になるってことだね◆」
「そうゆうことで」
君が来る事を知っているから、
そこまで気丈になれるのだと、
奇術師でさえ気付いていないだろう。
待ってますと、もういちど笑って、アベンガネの元を後にした。
その数日後、3人はそろって、現実世界へと戻っていくのだ。
まあ、そうなったからこそ、
今、こうゆう事態に陥っているのだけれども・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・御代を、貰ってもいいか?」
ぽいっとほられた云十億という札束を受け取って、
アベンガネは逃げるようにその場を後にし、
自分は何も見なかったと言い聞かせなければならなかった。
何故なら、
「そろそろ離れてくれない?」
「ダメだ」
「返事になってないんだけど」
「ダメだ」
「ヒソカ」
「何故オレの名を呼ばない」
「ちょっと、暑苦しい」
「助けてあげたいのは山々なんだけどねえ★」
どうやら、A級賞金首の威厳を、そこはかとなく落としてしまったから。
誰も、1人の少女を駄々っ子のように離そうとしない幻影旅団団長など見たくなかろう。
「ヒソカと戦う約束なんでしょ?」
「どうでもいい」
「勝ったら名前呼んであげても良いよ」
「ヒソカ、表へ出ろ」
「もう、表だよ◆」
「勝負だ」
「ん〜好戦的なのは大歓迎だけど、絡みっていうのが気に入らないなvv」
「煩い。さっさと終わらして、オレはに名を呼んでもらう」
そんなことで真剣に、スキルハンターを出しているクロロは、
ただの馬鹿にしか見えない。
「ヒソカ・・・・倒しちゃって良いよ」
「ボクには何にもないのかい?」
「・・・・・・・・いつもの挨拶してあげる」
「から?」
「はいはい」
「負けられないね★」
その後、勝敗がどうなったかは、のみぞ、知る・・・だ。