「どうした?」
「いや、成長したのかしてないのか・・・」
ノブを思いっきり吹っ飛ばされた扉を見て、
頭を抱える。
シャンクスの後を追うのにふさわしい、
身体は大人頭脳は子供の船長が、また増えていく確信を、
は少なからず持っていた。
もしかしたら、彼奴に見初められると、
こんなになるのか??
それはやばい。
全国の常識人が過労死してしまう。
いくら敵っぽい奴らの屋敷とはいえ他人の家。
お邪魔しますと声をかけて、
ドアノブの請求はしないで下さいと御願いしてから、
は屋敷の敷居をまたいだ。
「見ろよ!豚が壁から映えてるぞ!」
「いや、明らかに今までと同じ種類の生物だろ?」
「、お前下がってろって」
「うお」
襲いかかってきたゾンビのナイフを、
キャンドルスタンドではじいて、
そのナイフを後ろの刺客へと投げる。
伸ばした手を、あっさりとはじかれた気分。
また仕掛けてきた莫迦なゾンビを切り殺して、
ちょっとばかし、イヤな気分になった。
「ありがとゾロ」
こうやって、さりげなく人の喜ぶ事をするところが、
船長や、ぐるぐる眉毛やに好かれる、
原因なのだろうと言うことは明白。
「2人とも無事ね」
「当たり前だ」
「ロビンは?」
「平気よ」
「良かった」
「ちょっと待て」
「?」
「ぐるぐるコックがいねえぞ」
くすくすと響く笑いが、
何とも雰囲気を醸しだしていて、
普通の人は、こういう時、
身の毛もよだつようだと表現するのだろうが、
彼等は決して、どう譲歩しようとも普通と呼べる輩ではないから。
「この壁掛けさんに道案内頼んだらどうだ?」
「脅して連れてきゃ良いだろう」
「でも、脅したところで、色んな事喋るとは思えないわ」
「その、痛みを伴う考え、止める気はゼロなのか?」
「とりあえず行こう。時間が惜しい」
「おう!サンジは1人でも大丈夫だろ」
「それよりあの3人が心配ね」
そんな彼等に着いていくしか、
今は出来ないから、
とりあえず3人を追うことに決めたらしいみんなを追う。
だけれど、
サンジも若さ故、飛び出していく傾向があるから、
少しばかり心配だなと思ったのも事実。
暗い廊下を、意気揚々と歩く面々。
疑り深すぎる自分に、
一番後ろを着いていきながら、
悪い意味で変わってないじゃないかと、
心の中で嘲笑を漏らした。
「どうかしたのか?」
「いや、ちょっとお兄さん感傷に浸りたかっただけ」
「はあ?つか、てめえが兄って柄かよ」
「保父さんよりあってると思うけど?」
「莫迦言って・・っ!!」
ゾロと叫ぼうとしたときにはもう、
自分の視界すら真っ暗で、何も見えなくなった後だった。