大人は子供よりも役に立つなんて、
誰が決めたんだろう。
あまりにも圧倒的すぎる戦闘に、
脚が、竦んで・・・。
何が、能力者なら、少しは役にたつだ。
こんな、何も出来ずに見てるなら、
昔の方が、色々と歪んでいたにしろ、
役に立てていたんじゃないかと思う。
「!!当たったぞ!!」
「早く上がってこい莫迦!!」
「っ!!」
「ルフィ!!」
くそったれ。
動けよ。
動け。
俺の脚。
「なんで、日のないところで影が出来るんだよ!!」
やっとこさ、ルフィに集中している隙に投げられた、
ミホークがくれた俺の武器。
「なんだ!?」
「ルフィ!今だ!!」
人間離れしたキックが炸裂する。
「、さんきゅうな」
「さっきまで俺、なんの役にも立ってなかったけどな」
「いいんだ。は俺が守るから」
小さい頃に、そうしてくれたように。
今度は、自分が。
「一緒に、遊ぶんだろ」
「・・・・・・・・だな!!」
「何人集まろうが同じ事だ」
そう言っていられるのも今の内。
とか叫びたいが、
俺は其処まで強くない。
たたき落とされたら、無様に落ちるだけで、
きっと助けてくれるんだろう、ルフィの動きを止めちまう。
ってことは、俺があの本体を相手にするしかないわけだ。
「何度も叩きのめすんじゃなかったのか?」
「こっち・・だよ!!」
「っ!!な・・・これは、やはり・・・」
「海楼石仕様の特別製だ!!」
持っていたハンマーで思いっきり殴る。
これがゾロやサンジだったら、
かち割れていたんだろうけどな・・・。
嗚呼、銃もちゃんと買っとくんだった。
頭にクリーンヒットした筈なのに、
倒れてくれない。
「当たったら倒れろよくそっ!」
あの針を抜くわけにはいかないけれど、
針は数限られてるわけだから、
嗚呼、もう!!
「なんの音だ?」
「きた・・・きた」
「なっ!」
「でかっ!!」
「これが、俺のゾンビ・・・」
モリアに針使ってる場合じゃないだろこれ!
はモリアから高速で針を抜くと、
とりあえず、
呆然と自分の陰を見上げているルフィの手を掴んだ。
あのでかさって事は、
俺達が持ってる塩の量じゃ明らかに足りない。
「こうなったら全員集めないと無理だルフィ!!」
「モリアをぶっ飛ばせば良いんだろ!?」
「確かにそうだけど!」
「はみんなを集めてくれ!俺はモリアを追う!!!」
「嗚呼、はいはい。言っても聞かないよな。じゃあ、これ。
直接持つなよ!絶対直接持つな。
あいつに当たれば動きは止められるから」
「おうっ!一緒にだな!!」
「みんなの事は俺に任せとけ」
「」
「ん?」
「怪我すんなよ」
・・・・・・・・・・・・・。
手を振って走っていくルフィをただ、見ているしかできなかった。
あいつ、何処であんなこと覚えたんだ?
柔らかい唇が触れたおでこを押さえて、
が動き出せたのは、
それから数分経ってからだったのだが、
脳味噌の中では何故か、
此処にシャンクスが居なくて良かったと、
心底安心する自分が居たのだ。