「なあ!!そういえばのゾンビってどうなってんだ!?」
「知るかよそんなこと!!とりあえず今は撤収だ!」
「ワンダウン取ったからな」
「でも、ゾンビを見つけないことには、影が戻らないのも事実ね」
「あいつの性格なんてわかんねえぞ!?」
「似ているところがあれば分かりますけどね」
「そんなこと言ってないでとりあえず次の策考え・・」
「どこへいくの?」
ふと聞こえた小さな男の声。
追いかけてくるオーズに一撃をくらわせた、
ゾロとフランキーの目もこちらを向く。
「かえっちゃうの?」
「誰だおま・・」
つぎはぎの体、それでも分かる、
其の可愛らしさと、潤んでいる瞳。
思わず身体の体温が上昇していく。
「おま・・・えも、ゾンビ、なのか?」
「おれ?おれ、どこからきたか、わかんないんだ」
ついにあふれてくる涙に、麦わら海賊団たじたじ。
後ろにオーズがいたことすら忘れている様子。
さした影。
向けられた拳の軌道は、明らかに自分たちにクリーンヒット。
釣り上った少年の口元に、やばい。
そんな言葉が、全員の頭をよぎった瞬間だった。
あの、声が響いたのは。
「オーズ!!そいつら殴ったら飯抜き!!」
「なんだと!!それはダメだ!!!」
途中でそらされた軌道。
真横の地面が粉砕され、細かく砕けた岩盤が襲いかかる。
「何やってんだよ!!」
「いや、ちょっ、これには訳が・・・」
「訳がって、殺されると、こ・・・・お前・・・・・・」
「な?な?これは、いいだろ?連れて帰ると怒られると思うか?」
「餓鬼なんて連れ帰ってどうすんだよ」
「しかもゾンビよ」
「そんなこと関係ねえぞおい!!」
そもそも誰に怒られるのだろうか。
サンジ、しっかりしろ。
餓鬼なんてというゾロの頬も、うっすらピンクに染まっている。
気持ち悪いことこの上ない。
いや、それよりも気持ち悪いのは、この、ゾンビだ。
「おい、ぐずぐずしてていいのか貴様ら」
「モリア」
「どうした?そいつの可愛さは犯罪だろう」
隣でグッジョブとか言ってるクルーはスルーしよう。
いや、後で何発かぶん殴っとくべきかもしれない。
「こいつを、何処で、どうやって、造った」
「なんだ?お前には通用しねえのか」
ブーイングも無視。
お前らそろそろ正気を取り戻せ。
「俺の質問に答えろ」
「ま、そのゾンビに合う魂は今までなくてな、
特別に、魂の合ったお前には、教えてやろう?」
「さっさと言え」
「世界政府に送られてきたのさ。写真が引き伸ばされてな」
「・・・・・・・・・・・・」
「捜し人らしいぞ?世界各地にばらまかれてる」
「・・・・・・・・・・・・」
「其の発信源もまた面白いぞ!きしししっ・・」
「さっさと、続きを、言え。カスが」
「っ!!!」
ものすごい殺気。
オーズの中にいても刺さされるようなそれ。
先ほどの、力不足で、取るに足りないような奴と同一人物とは、
賞金すらかかっていないとは、あまりにも信じがたい。
「あっ赤髪だ!ま、お前等なんかじゃ到底近づけねえような・・」
「コロス」