「そういやルフィ、影、取り戻したのか?」

「あ、まだだ」

「馬鹿か!」

、そのまま抱っこしててくれな」

「いや、それは良いけど・・じゃなくて!影だよ影!!」




さて、に甘え、頬をすりよせるルフィに、

血をだらだらと流しながら、

ゾロとサンジが向かってきていることは置いておいて。




「モリア起こして・・」

「それには及ばねえ」

「なっ!!」

「悪夢はまだ、終わらねえぞ?」




其の状態で何ができると叫びたい。

けれど、それをやってしまうのがこの実力を持つ面々だから。

たった5本しか残らなかった、

彼が残してくれた大事な武器を、握りしめた。




「おいおい、どんだけ太るんだよ」

「冗談だろ・・・」

「ルフィが100体であれだったって事は」

「くそっ!!」

「でも、明らかに食いすぎ。大丈夫だよ」

、何する気だよ!」

「ルフィ?」

「なんだ?」

「あの塔、破壊するくらいの気力は残ってるか?」

「当たり前だ!!」

「こっちに向かって倒してくれ」

「そうか」

「成程ね」

「貴方やっぱり強いわ」




今実力がないなら、

使えるのは話術くらいか。

後は、あるのかないのか分からないような脳みそ。




「モリア」

「なんっ・・っ!!」

「食いすぎは体によろしくないだろう?」

「ふん。踏みつぶして終わりだ」

「動けるのか?」

「どう・・」




少しでいい。

隙があればいい。

俺に力を貸してくれ、ミホーク。

投げられた針と、倒れてくる塔。

タイミングはばっちりだ。




「動かねえっ!」

「ご愁傷さまだ」




無理やりはかれた影たちが、長年共に過ごした主人の元へと帰っていく。

朝日が昇る。

ふっと力が抜けて、顔面ダイブで地面とキスかと思いきや、

支えられていた身体。




「ゾロ」

「無理、すんな」

「お前こそ、だろう?」

「うるっせえ」

「とりあえず手当・・」




一時の休まりを分かち合う暇もなく、

響いた、ずうんっという地鳴り。

畳みかける災難はとどまるところ知らず。

これもルフィの引き寄せる縁か。

聞こえた抹殺の二文字と、

それを是とする応答。




「おいおいおいおい」

「誰だ?」

「七武海の、1人だよ」

「海賊狩りのゾロ、まずはお前から行こうか」

「やめろ」

「喧嘩は買った」

「買うな!」

「ゆずれねえ」

「ゾロ」




眼をそらすということは、

それだけのダメージだと、自分でも分かっているということ。

そらした顔を、両手で包んで、ただ優しく見つめる。

どんどんと赤くなっていくゾロの頬に、

少し疑問は抱けども、

今はそれどころではない。




「聞きわけろ。良い子だろう?」

そのままき・・じゃねえ!こっこここ子供扱いすんな!!」

ずりいぞゾロ!!

「そうゆう問題か!!??」

「ルフィ、抱っこしただろ?」

「嫌だ!!」

「とりあえず、離せ!!!」

「呆れた・・・」

「ふふ。ほんと、流石ね」

「年の功だな」

「フランキーまじでそれやめろ」

「マリモ!!」

「うっせえなんだよ!!!!」

「なんでもねえよ!!!(羨ましい!!!)」



「もう良いか?」

「っ良いぜ!!」

「ゾロ!!・・・っ!!!」