「だからあれ程無理するなって言っただろ!!」

「ああ・・・・」

「聞いてんのかサンジ!」

「聞いてるって」

「まあまあ、助かったんだから良いじゃない」

「命が1つだって気づいてくれればそれでいいけど・・・」

「それより、だって怪我したんじゃねえのか?」

「かすり傷だから」




違う。

こんな言い争いがしたかったわけじゃない。

なんなんだ最近。

ぼーっとする事が多い自分に苛立ちが隠せない。

今日の戦闘だって、俺がもっと、ちゃんと見れていれば・・・。




「えっと、ハチ、だっけ?たこ焼美味かった。ご馳走様な」

「何処行くんだよ!」

「すぐ戻る」



「最近変ね。彼」

「鍛錬の時も、ぼーっとしてんだ」

「ルフィ、サンジ君、何か心当たりないの?」

「ねえよ」

「何も・・・。すいませんナミさん」

「寝てる時、魘されてるの聞いたぞ?」

「それホント?チョッパー」

「嗚呼。変体が!とかなんとか・・・」

「いつも思うんだけど、何されてきたのかしらね。彼」

「想像するに難くないんじゃねえか?」

「でもあの赤髪よ?子供を恥ずかしめる趣味なんて・・・

ロビン、まだ真昼間




そうゆう突っ込みで済ませられるものなのだろうか。

事情を知らないハチ達の頭には、クエスチョンしか浮かばない。




「焦ってんじゃねえか?」

「どうゆうことだ?」

「ホントにちゃんと見つけられるのかって」

「でも、可能性が零に近い事を、が知らねえわけねえだろ?」

「私も50年、独りでしたからね」




少し重たい空気が流れる。

大事なものを失くす悲しみ。

もう会えないかもしれないという想い。

辛さ。

孤独感。











「何やってんだか」




見張り台に上がり、空を見上げながら、は何処までも続くような旅路を思う。

ぶん殴ると誓った。

だからこそ、ルフィの船に乗ったんだ。

捜し出せるとか、そんな事まったく考えてなくて。




「俺はこの船のクルーじゃないって知ってんだろ」




色んな事に関わる中で、

向こうじゃありえなかった感情が湧きあがってくる。

もっと、知りたい。

もっと、自分を必要として欲しい。

1人で突っ走るやつらが多過ぎて、

必要とされない事に怒る。




「自分から距離置いたんじゃなかったのかよ」




仲間はではないと、豪語したのは自分だ。




「くそっ!!!」




それもこれも、あいつの所為だ。

あいつが、深入りする事なんて許すから。

だから・・・。




「また他人の所為にするし・・・」




手を伸ばしてみた。

独りじゃ何もつかめない自分。

独りじゃ強くもなれない自分。

進めない。




〜〜シャボンディ諸島、着いたぞ〜〜?」

「俺置いて、上陸してくれ。あれだったら船番しとくし」

「・・・・・・・・・・・おう」




なんで来ねえんだよ!!

なんて、ルフィが叫んでいるのが聞こえる。

ただ、今は・・・。

ゴメンな。