「で、ゾロは何処に向かおうとしてたんだよ」




しこたま説教をくらった後、

まあ、半分も理解はしていないが、

其の事をも理解しているから問題ないだろう。

2人して連れ立って歩く。

2人っきりで・・・・。




「・・ロ・・・・ゾロ・・・・ゾロ!!」

「なんだ・・ちっちっけ・・・ぶっ!!!




ちらちらちらちらと隣で歩くを見やりながら、

悶々と妄想に耽って考え込んでいたゾロ。

何気なくしたのだろう、覗きこまれた顔。

数10pの距離。

上昇していく体温。

前も下も見ずに歩いていれば、

思いっきり蹴躓いて前に倒れそうになるのは当たり前。




「おいおい。大丈夫か?」

「はっはなせ!」

「離すけども。ホントに大丈夫か?」

「っ!なんともねえ」




一体どうしたってんだ俺は。

最近、そうだ、コイツが俺に鍛錬をしてくれと頼んでからだ・・・。

2人でする鍛錬も悪くね・・・って違うだろ!!!!




「それより、何処に向かってんだ?って話なんだけど・・・」

「あ゛あ゛?サニー号に決まって・・」

「サニー号は41番グローブだろ?」

、お前何言ってんだ?1番だろ」




お互いの頭に?が浮かぶ。




「まあ、間違ってたら引き返せばいいだけだしな」

「間違ってねえ」

「そうゆう事にしとく。久々にゾロと出掛けられるし」




久々にゾロと出掛けられるし・・・。

久々にゾロと出掛けられるし・・・・・。

久々にゾロと2人で出掛けられるし・・・・・。

久々にゾロと2人だけで出掛けられるし・・・・・。




「うがあっ!!!(何勝手に付け足してんだ俺は!!)」

「やっぱ変なもんでも食べたんじゃねえか?拾い食いしたとか。熱は・・・ないな」




おでこに当てられた掌から、の熱が、鼓動が、伝わってくる。

俺だけの為に与えられたヌクモリ。

嗚呼、なんて・・・。




「ま、あんまり無理すんなよ?」




其の頬笑みを守りたいと、思った。






「なんだ?」

「俺、あーーーその、なんだ、あれだ」

「ん?」




どうした?言ってみろ。

なんて、兄貴面で、保護者面で微笑む。

包んでくれる。

俺は子供じゃねえって言ってんだろ・・・。




「お前の事が・・」

ゾロ〜〜〜〜〜〜〜乗れ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

「え?」

「は?」




トビウオから手を伸ばし、掴まれたシャツ。

ばっさばっさと木を薙ぎ倒しながら引き摺られていく・・・

いや、なんと称すれば良いだろうか、

釣られた魚状態で、木々にぶち当たりながら連れ去られていく。

が正しいかもしれない。

遠くの方で、ルフィてめえ殺す気か〜〜〜。

なんて叫びが聞こえてくる。




「とりあえず1番グローブか?」




何故あんなに急いでいたのだろう。

人魚。魚人。

オークション。




「どっちにしろ、良い気持ちは、しないだろうな」




もまた、確実に、1番グローブへと、

火種の中心へと、歩を進めるのであった。