会ったら船での事謝ろうとかいう考えは、
脆くもばさばさと綺麗さっぱり崩れ去ったのである。
船長自ら先陣切って、
倒されていく海兵がまるでゴミの様だ・・・・。
俺のを傷つけやがって!!!!
なんて聞こえてくるのは幻聴だろう。
きっと。
誰もお前等のものになった覚えはねえぞ?
とりあえず、自分に向かってくる敵に、
購入したばかりの銃で応戦しながら、皆の行く方に着いてゆく。
着いた先は、どうやらあのレイリーの家らしい。
小さい頃に一度、会ったのを覚えている。
覚えているからこそ、あまり来たくなかったのが本音だが。
「あら?」
「俺の顔になんかついてます?」
「君・・・」
バーカウンターに腰掛けて、
右から左へレイリーの話を流す。
「ねえ、やっぱりそうよ」
「?」
「赤髪の嫁、でしょう?」
「断じて違います」
「赤髪の嫁は今、行方不明。年齢は18じゃと手配書にも書いてあったのを忘れたのか?」
「いえ、でもそうでしょ?ね?」
「ストップ。あの、手配書ってまじで出回ってるんですか??」
「あるぞ?見るか??」
「結構です。殺したくなるので」
世界は広いだ?
それがどうした。
死んでも見つけてやる。クソ野郎。
「嫁ってどうゆうことだよ!!!はシャンクスと結婚してんのか!?」
いや、性別的にありえないだろう。
とか、考える事は色々あって、
物凄く聞き難い事であろうことは、誰にでも予想がつくようなものなのに、
彼にとっては、そんな事どうでも良くて、
ただただ、大好きな人に、自分よりも大事な人がいるのはお気に召さないから、
だからの質問なのだがいかんせん。
の沸点をジャンプで飛び越えるには、十分すぎる浅はかさだったようである。
「ルフィ?」
「・・・・・・・・・・・・はい」
「俺はな、赤髪とかいう単語が、この世で、1番、汚らわしいんだ。分かるか?」
「はい」
「ニ度と口にするなよ?」
「はい」
果たして、家の中はこんなにも寒かっただろうか。
口はにっこりと、頬笑みを描いているのに、それに比例しない瞳が、
この世の何よりも恐ろしい。
質問しなくて良かったと、切実に剣士とコックは、安堵のため息をついた。
「ぶぇーーーっくしょいっっっっ!!!!!!!」
「なんっちゅう親父くしゃみだよお頭!!」
「うっせえ!!誰かが俺の噂してんだよ!!」
ところ変わって、三本傷がトレードマークの海賊船。
「年、食ったもんだ」
「白髪の親父が何言ってんだあ?」
「それだけお頭の苦労を一身に背負ってるってこったな。精進しやがれ」
「あれからもう、10年か」
赤髪海賊団のアイドルが、海の闇に消えてから・・・。
「そりゃ、年も食うわな」
「、元気にしてると良いな」
「18だろ・・・もう声変りも済んで、立派な大人に・・」
「何言ってんだ?」
「だから、ももう18だろ?そうゆう話の1つや2つや3つや4つ・・」
「許さねえぞ!!!!」
「は?」
「良いか!!はなあ、18になろうが30になろうが50になろうが、
ずっとあの可愛いまんまで、俺が見つけた時は白いワンピース着て、
そんで、懐かしさに眼に涙いっぱいためながら、捜してたんだよ・・・。
って一生懸命微笑んで、最終的に俺の胸に飛び込んでくるんだよ!!!!!」
ふんっ。
どうだ、なんか間違ってるか?
みたいな事をのたもう船長の頭に、三段重ねのアイスクリームが出来たのは、
それから数秒後の事だった。
「ぶぇーーーっくしょいっっっっ!!!!!!!」
「物凄いくしゃみしたわね。」
「誰かが噂でもしてんじゃねえか?」
「ただの風邪だろ?それよか3日間のサバイバルの方を心配しろよ」
「それもそうか」
「それじゃあ、3日後にな」