「お邪魔します」

「お前誰だ」




緊張したまま聞いたルフィ。

ふと、眼に入ったのは、彼の首に飾られたチョーカー。




「それ・・・」

「ん?」

「その花だよ!それは俺がにあげたやつだぞ!」

「あのなルフィ」

をどうしたんだよ!!」




話を聞かないのは、本当に昔から変わってないというか。

上に立つ人間は話を聞かないものなのだろうか?

海賊限定で。

まったく話を聞いてくれそうにないルフィに溜息をつく。




「ルフィ」

「なんだよ!を何処へやった!!」

「肉食いたいか?」

「食いてえ!」

「おい!!」

「じゃあ俺の話を聞け?最後まで聞け?良いな?」

「おう!!」

「「「(((手懐けた・・・・)))」」」




目の前の肉にしか目が行ってないのは置いとこう。

とりあえず話を聞いてくれればそれで良い。




「ルッチ、待っとけよ。送ってくから」

「必要ない」

「怪我治ってないんだろ?10分待て」

「早く話しろよ!肉!!」

「俺は肉じゃない。まあそれは置いといてだ、
あのな、俺はなんだ。そんでは不思議人間だ

「おい

「不思議人間だから、
一気に20歳くらいお兄さんになったわけ。分かったか?」

「分かった!!」

「よし偉い。ご褒美な」

「よっしゃ肉!!!」




素晴らしい尊敬のまなざしを受けながら、

とりあえずの説明は終えた。

後は、ルフィが肉を食べ終えてから。






「ん?」

「久しぶりだな!」

「そうだな」

「って、ちょっと待ってよ!!」

「意味分かんねえ」

「結局、貴方は誰なの?」

「俺は。彼奴の故郷で小さい頃に知り合った者です」




よろしく。

と差し出された手。

人当たりの良い笑顔。

ルフィを手懐けた力。




はシャンクスの船に乗ってたんじゃねえのか?」

「ちょっと問題が起こってな」

「あの赤髪の船に乗ってたですって!?」

「彼奴を尊敬するのは止めといた方が良い。ホントに。
会ったら後悔するから、変態親父くらいに留めた方が身のため」

「は?」

「それで、捜したいんだよ。シャンクスを」

「じゃあ俺の船に乗れよ!」

「そう言ってくれると思った」

「なんか」

「ん?」

、昔から兄貴みたいだったけど、今はホントに兄貴だな!」

「そうだな(今も昔も兄貴だけどな)」




けれど、こんな弟がいればと、

あの時も思った気がする。

邪気のない笑顔に、撫でることで答えながら、

ルフィの柔らかい髪を撫でていると、

落ち着いている自分に気付いた

俺はシャンクスと同じじゃない同じじゃない。




「改めて宜しく。えっと・・・」

「はあ。いつも通りって感じね。私はナミ。航海士よ」

「サンジだ。コックやってる」

「ロビンよ。考古学者として置いて貰ってるわ」

「これだけか?」

「いや、後、ゾロと、ウソップと、チョッパーがいる!」

「ま、後で紹介してくれ」




知っているけれど、

初めましての人との自己紹介は、

コミュニケーションの基本の基本。

良いお友達としてやっていきたいものだ。

間違った方向に進んでいかないために。




「それじゃあ、ルッチ連れて帰ってもっかい来るな」

「ダメだ!!」

「なんでだよ」

は俺と一緒に遊ぶんだ!」

「ちょっと待ってろ。ルッチ送ったら直ぐに帰ってくるから」

「ええ〜〜」

「帰ってきたらなんか作ってやるよ」

「じゃあ待ってるぞ!!」




麦藁海賊団は保父さんを獲得した。