宴だーーーーーー!!!!!
という叫びを聞いたのは、何時間前だっただろうか。
「!俺の隣で酌しろって言ったろ!?」
「シャンクスそれ、何杯目だよ」
「知るか!」
「ちょっ!まだ入ってる!!零れる!!」
ヤソップやアジールと談笑している、の背中にもたれかかり、
酒を要求するシャンクス。
おそらく、ものの数分でシャンクスの隣から抜け出したのだろうを見つけて、
突撃したに違いない。
3人が楽しんでいる酒を横取りし、
無理矢理、につがせようとする様は、どう頑張って見ても、抓み出されるタイプの酔っ払いだ。
「お前も呑め!」
「呑んでるよ。つぐな莫迦!まだ入ってる!!」
「可愛げがねえぞ!!??」
「男に可愛げ求めるなって」
「くっそ!おいアジール!白ワンピ持って来い!!」
「何処に仕舞ったかの」
「燃やせ!!」
「脱げ!!!」
「何してんだこの変態!!!!!」
1週間前の空気が嘘のようで。
俺が、これでもかと悩んでいたのは何だったんだ・・・。
今も、服を破らんばかりに引っ張ってくる赤い髪を押し返しながら思う。
こいつは別の罪で、やはりインペルダウンに繋がれるべきだ。
ズボンにも手をかけられそうになって、
あまりの身の危険に、銃に手がのびた時だった、
上に乗っかっているシャンクスの腕が、だらん。と重力に従ったのは。
「うっ・・・・」
「シャンクス?」
「・・・・・・・」
「大丈夫・・」
「きもちわりい・・・・」
「ちょっ!!」
「言わんこっちゃない。お頭、自業自得ってんだ!」
「ヤソップ!手伝えよ!」
「お頭のおもりはお前の仕事だろ?」
「笑ってる場合じゃないし!そんな仕事請け負った覚えもない!」
当たり前の光景が、嬉しいなんて。
ただし、この、吐きそうな顔しながら、人の腰に手を回すコイツは捨ててきたい。
これからの楽しい酒の席の為にも、だ。
「海に投げ捨てておけ」
「名案だな。カルヴァドス」
「おい、こら、船長だぞ、オレは、敬え」
「五月蝿い。そうゆうことは、敬われるような態度とってから言え」
「くっそお前等!!」
わーぎゃーと叫びながら、青くなっていくシャンクスの顔を面白がって笑いが起こる。
最終的には、アジールが折れて、酔いに効く薬を取りに行く羽目になるのだ。
その時点ではすでに、宴会席のど真ん中に、屍と化した赤い髪が転がってるのだが。
ふと、船尾に移動する影を眼の端に止めて、
は、シャンクスが介護され始めたのを確認してから、席を立った。
「ベン」
「主役がこっちに来てどうする」
「良いよ。シャンクスもアジールが引き摺ってったし、皆も其々楽しむだろ」
「違いない」
「乾杯」
「ああ」
ジュースを持っていた手には今や、
アルコールを注いだグラスが握られてる。
本当に帰って来たのだと、ベックマンは笑顔を浮かべた。
「どうだ。あれから」
「拍子抜けするくらい」
「まあ、及第点。と言っておこうか」
「変態度に磨きがかかっている気がするんだけど?」
「ノーコメントだ」
酒を煽って苦笑する。
「まあでも・・・・やっぱすごいよ」
おそらく、元気を取り戻したのだろうシャンクスがまた、
を探してうろうろしている。
勿論、こちらには気付ていないから、
面白いものが見えているのだが。
こんなに皆に好かれてさ、上に立つ人なんだなって、思う。と、が零す。
「、お前・・」
「何?なんかついてる?」
「いや」
自覚が無いなら、言ってやる必要もないだろう。
今、どんな顔で、お頭の方を自分が見ていたか、なんて。
折り紙付きの