「で、これからどうするんだい?」




とてつもなく凄まじい戦いで高揚した頬とか、

あがった息とか、昂ぶった色んなものとかを押さえ込みつつ、

とりあえず出血多量で死なないようにと、

クロノスに両人とも飲まれたのは数分前。



珍しくも、こんな風に、

他人に意見を求めるなんて事しなければ良かったと、

ばびゅんっとオノマトペが付きそうなほどの勢いで、

いなくなったクロロのほうを向いたのは、

台詞を発した数秒後の事。




「ボクは旅団員じゃないから、彼らに報告してあげる義務はないね★」




俵担ぎにされたが、

助けてと叫んでいた事やなんかは。

けれども、が彼と2人きりになる事は、まったくもって面白くないわけで。

にやりと彼特有の笑みを浮かべた後、

携帯電話をプッシュしたのだ。




「やあ◆」

・・・・・・・




ぶちっ。




「酷いじゃないか★」

どうしてボクの携帯知ってるの?

の携帯に入ってたからね◆」

あそ。じゃ

「いいのかい?そのの事についてなんだけど?」




ホームでは、珍しく、本当に珍しく鳴り響いた、

の母役、基、コルトピの携帯に皆、興味津々だ。

向こうがざわめき出すのが判って、

ヒソカはより一層、笑みを深くした。




で?

「今さっきクロロとの戦いを終えてねvv」

よく殺し合いにならなかったわね

まあ、が見てるからな

なるほど

「クロロがを拉致って行っちゃったよ★」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ばったん。

どっかん。

がらがら。

がしゃん。

きぃぃぃぃぃぃぃっ。

どうんっ。




あれ程気をつけろって言ったのに!!

明日の新聞の見出しはけていね

幻影旅団団長少女を強姦ってか!?

冗談に聞こえないわよ!!!

許せない・・・・・

デメ出す前に居場所の特定だろ!!

「面白そうだねえ◆」

ありがとうとでも言っておいた方がいいのかな?




小さな小さな彼が、携帯を握りつぶさんばかりに震えている事など、

知る由もなく、

とにかく面白そうな事は確かだ。

切れた電話を前に、またあのくつくつ笑い。

今からはククルーマウンテンに行く予定だ。

さあ、どう邪魔してやろうか。











「あたしの携帯・・・・・・・」

「電波を受信されたら終わりだ」

「今の状況が終わりだと思うけど?」




床に散らばった無残な携帯。

ゴン達の連絡先を誰から聞きだそう。

の頭はそのことで一杯だ。




「ここが今日から俺達の家だからな」

「寝言は寝て言ってくれる?ホームに戻りたいの」

「折角2人きりになれたんだぞ!?」

「何、その嬉しがるのが当然だろう見たいな目」




つつつっと距離をとって、

目の前にクロノスを構える

さあ俺の胸に飛び込んで来いと両手を広げるA級賞金首。

どこかで螺子の1本や2本や3本くらい落としてきたのではなかろうか。

はまた一歩後ずさった。




「アベンガネさん、念以外に何を取り除いたんだろう」

「意味が判らん」

「意味判んないのはクロロの行動」

「愛してると言っただろう」




いつだよ!!と心の中で突っ込む。

トリップ時にありがちな変態化が、どうして今・・・・。

そんな考え事を、

一応、威厳はほとんど損なわれていても、

A級賞金首達を統べる幻影旅団団長の前でしたのが運の尽きだ。




「嗚呼。。会いたかったぞ」




腰に巻きつく2本の腕。

さらさらの黒髪は、何故か自分の目線よりも下。

右手がつつっとさがってこれば、




まじな爆発5秒前。