「何故このようなところに来ていたのだ?」

「だから、お泊まり中なの」

「だからそれは・・・・」




樹海の中で、紅茶を広げて。




「クラピカ、すまん。こいつは誰だ?」

「あ、です」

「はあ」

「私の今の師匠なのだよ」

「カイトだ」




クッキーを口の中へ。




「はじめまして」

、話を戻しても良いか?」

「うん。えっとね・・・・」




クロロがどうかしてしまったこと。

仕事がないこと。

暇すぎること。

ゴンの誘いが来たこと。

じゃあ、みんなの所へ泊まりに行って暇つぶしをしようと言うこと。




「なんだ。そんなことなら・・」

「ちょっと待ってくれ」

「なんですか?」

「クロロ・・・って、クロロ・ルシルフルの事か?」

「そうですよ?」

「待て待て待て待て!」

「師匠、落ち着いてください」

「お前、蜘蛛と繋がりがあるのか!?」

「ええ。まあ」

「旅団に復帰してはないのだろう?」

「うん。だって、クラピカの邪魔したくないし」




そうか。

笑ったクラピカを見て、

カイトと修行をするようになって、

色んな考えを持つようになったのかも知れない。




「蜘蛛・・・・」

「カイトさんって、賞金首ハンターでしたっけ?」

「いや、俺は・・」

「じゃあ、良いですよね」




いや、賞金首の、

しかも極悪非道の集団を見逃せと。




「あ、クッキー食べます?」




でもまあ、良いか。

彼女を見ていると、そんな風に思えてしまう。




「だが、

「ん?」

「此処で夜を過ごすつもりか?」

「そのつもりなんだけど」

「いや、此処は・・・・」




一応修行に適したような樹海で、

しかもいるのは男2人で。




「修行ってどんなことしてるの?」

「未知の生物を捜すために、自然と同化したり・・・ではなくてだな!」

「そっか。楽しそうだね」




良かった。

少しの間でも、

血なまぐさい過去から切り離した世界で楽しんでいるなら。




「じゃあ、明日から参加させてもらっても良い?」

「あっああ」




知らなさすぎるのも考えものだ。

一緒にいる間に、少しでも教え込もうと、

クラピカは1人、決意を固めたのだった。