「お前の仕事は判ってるな?」
「嗚呼」
「気を付けるんだよ?ティッシュとハンカチ持ったかい?」
「兄さん、大丈夫だ」
「財布は?」
「忘れてた」
「忘れんなぁぁぁぁ!!!!」
「五月蠅い」
「お前の所為だろうが!!」
ヴァリアーアジトの門の前。
黒い服来た連中が、揃いも揃ってお見送り。
「ま、王子もすぐそっち行くしい」
「そっか。なら心配ないな」
「誰が?」
「ベルが」
「王子じゃなくて、がだろ?」
「俺は心配ないぞ?」
「」
「なんだ、兄さん」
「知らない人には着いていかないこと」
「ん」
腕に抱えていたマーモンを離し、
くるりと背を向けて、颯爽と歩き出すその姿は、
暗殺者の称号にふさわしい。
「空港は逆方向だよ。」
「難しいな」
「難しくないわよ」
そんなこんなで、この物語の主人公、
の初めてのおつかいは、幕を開けたのだ。
「ここが並盛・・・あれ?特盛り?」
リュックサックを背負って。
まったくこの男は、何処に何しに行くんだろうか。
「左っぽいな」
地図を上下逆さまに見ながら、
休日の真っ昼間、並盛町を進んでいく、
身長200弱のアルビノ。
白いアシンメトリボブ。
瞳はサングラスで隠しているとなれば、
買い物に出てきたおばさま方が、避けていくのも頷ける。
「あった。沢田」
何故、地図を逆さまにして着くことができるのかは、
大いに疑問だが、
其処は、あのマーモンの弟。
謎だらけも謎だらけ。
誰も解明しようと思わないから、謎のまま。
「ピーンポーン」
わざわざ口に出して言う当たり、
莫迦が丸出しである。
2秒ほど待って、ピポピポピポピン・・。
「はいはい!!今出ます!!・・・・え?」
「やあ」
「どちら・・様ですか?(またマフィア関係じゃないだろうな・・・)」
「えっと、沢田・・なんだっけ?あさり君?」
「ちげえ!!!」
「なんだお前。何しに来た」
「リボーン。久し振り・・・・・・・・・・」
「えっと・・なに?」
いきなり俯いて肩を振るわせられれば、
誰だってこうなる。
特に、見上げるほどでかい、
山本よりも絶対でかい、
明らかな外人さんにそうされたら・・・。
「気にするな」
「兄さん!」
「えええ〜〜〜〜!!!???」
「ちげえぞ。まったく、、そろそろ兄離れしろ」
「俺には兄さんが必需品だからな」
「そうか。で、何しに来た」
「なんだっけ」
「はあ?」
暫く間があり、
ああ。ぽんっと手を打ち鳴らしてにっこり笑った、
と呼ばれた男の人。
「盗撮」
・・・・・・・・・・・・・・・。
「はいい?」