「自己紹介しとけ」
「だ」
「はっはあ」
「後、とりあえずお前、電話しろ」
「おつかいのメモは持ってるぞ?」
「だったらさっさと出しやがれ」
財布の中に、大事にしまい込まれた一枚のメモ。
サングラスを外して、
赤い眼が姿を現したときは、
流石にどきりとしたけれども、
まあまあ、人が良さそうではあるし。
「おい、ツナ、これ見ろ」
「なんだよ・・・・・・・・・・・・・・」
前言撤回。
そのメモには只一言。
『ボンゴレ10代目候補を偵察してくる事』
「だから、暫く頼む。あさり君」
「俺の名前はあさり君じゃない!」
「間違ったか?マグロ君だったか?」
「惜しい!いや、とか言ってる場合じゃないって!!」
「Cord good future」
「合ってるけど、なんで英語!!??」
「そろそろ止めとけよ」
「リボーン、顎は急所だぞ。急所」
「お前もリラックスすんな!!」
何故だかの膝の上でエスプレッソを飲みながら、
の顎に標準を合わせているリボーン。
「カルシウム不足か?ツナ缶」
「ツナ缶も違う!!」
「うるせえぞツナ」
「のんびりしてる場合かよ!!
しかも俺、マフィアのボスになんかならないって言ってるだろ!!」
「そうなのか。それは良かった」
「え?」
「苦しまずに死ねる」
「いやだぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少しでも期待した自分が莫迦だった。
しかも何馴染んでんだよ俺!!
「綱吉」
「はい?」
かしゃっ。
「えっと・・・え?・・・さん?何してるんですか」
「でいい。堅苦しいのも嫌いだ」
「はあ?」
「写メで送ろうと思って」
「何を」
「綱吉の現状」
ぴこぴことぼたんを押しながら、
にっこりと笑っている。
送信ボタンを押して数秒、けたたましく鳴り響いた携帯に、
呆れたような顔を向けたのも、
なんだか、貫禄から来るモノなのだろうか。
見た目からして20代半ばと言ったところ。
「もしもし?」
『てめえは何を送って来てんだぁぁぁぁ!!!』
「スクアーロ、ぼけたのか?」
『偵察して来いって、やっぱ無理だったんじゃね?』
「ベル、俺だって盗撮くらいできる」
『盗撮じゃないよね。凄いカメラ目線だったよ』
「兄さん、それでも写真は撮れた」
『もう良い。俺達も直ぐそちらへ向かう」
「もう少しゆっくりしてればいいのに。はげるぞ」
『・・・・・・・・・』
「じゃあ」
『切るなああああああああ!!』
ぶちっと切ってまったくもう。
「心配性過ぎる」
分からない気がしないではない・・・・。
携帯片手ににっこり笑うに、
前途多難な予感がぬぐえない、ツナであった。