てくてくと、チョコバナナにかぶりつきつつ歩いていく。
あの2人は、きっと守護者になり得るだろう。
感じるオーラがなんとなくそれっぽい。
「報告・・・・」
携帯を取りだしてふと思う。
自分のおつかい内容は何だった?
『ボンゴレ10代目候補を偵察してくる事』
「なんだ。別に関係ないじゃないか」
そんなところが、彼の良いところ。
なのか悪いところなのかは判りかねるが、
ぐるぐると同じ所を回っていることに、
そろそろ気付かなければ、
既にとっぷり日が暮れている。
「困った」
「迷子か何か?」
「違うぞ。俺はなんとなく知らない道を歩いてるだけだ」
「それを迷子って言うんだよ」
「そういえば、久し振りだな」
「そうだね」
ついこの間会ったばかりだが。
「さっきひったくりが走って行ってね。君も来るんだろ?」
「だ」
「そ」
自分の攻撃をかわしたばかりか、
宥められたのは初めての経験で。
興味が湧くのも当たり前。
名前も聞かずに帰してしまったことを悔やんでいれば、
その場にぽっと現れるのだから、
たまったもんじゃない。
境内を昇っていけば、何故だか綱吉が囲まれていて。
1人の頭を、何の躊躇も無しに叩き付けた男を見て、
まだ名前を知らないことに気付いた。
「!雲雀さん!!」
「ダメだぞ。急な暴力は。和姦かもしれないだろう?」
「わけわかんないから!!!」
「そうなのか?じゃあ強姦か?それはダメだ」
「何さらっと危ない言葉吐いてんのぉぉぉ!!!」
「何でも良い!やっちまえ!!」
そんな会話を、向こうが待ってくれるわけが無くて、
わっさーっと飛びかかってきた不良共。
「なんだ。悪い奴か」
「そうだよ!!!!」
「じゃあ、逃げよう」
「?」
「頑張れよ」
「こらあぁぁぁぁぁ!!!!!」
まさかホントに逃げるとは思わなくて、
あの円の包囲を、ひょいっと飛び越えて行っちゃって。
全く、なんなんだ・・・・
って!!また見失った!!
「なんなのあれ。君の知り合い?」
「知り合いっちゃ知り合いというか、なんというか・・・・」
とにもかくにも目の前の不良だ。
「パンツ一丁とは、なかなか浪漫だ」
『なんの話?』
「十代目候補」
『明日にはスクアーロが着いてると思うよ』
「何か問題でもあったのか?」
『うん。が問題だって気付いてないね?』
「俺は良い子にしてるぞ。兄さん」
『とりあえず、おつかいはおしまい。
スクアーロと合流したら、戻っておいで』
「わかった」