「疲れたな」
「イタリアに帰って来たばかりだったからね。
大丈夫かい?」
「今から奇襲かけようって奴の台詞じゃねえな」
「なんだ?奇襲なんかかけに行くのか?」
「その為に来たんでしょう?」
「指輪を奪うだけなら、夜討ちをかければいいだけだろう?」
「、超卑劣」
「そうか?ベルよりはマシだ」
暗殺者が、少し薄暗くなった夜道とはいえ、
どうどうと横一列に並んだまま、
どこぞの下校生徒宜しく、
だべりながら歩いていて良いものだろうか。
いや、良くない。
「そういえば、レヴィはどうした?」
「勝手に歩いてったぜ?」
「何する気だ?」
「ボクに念写頼んできたから、
雷の守護者でも探しに行くんじゃない?」
「抜け駆けか」
「許せないね」
「でも、教えたのは兄さんだろう?」
「むむ。お金が貰えるからいいんだよ」
「兄さん、落ちる」
自分の腕から落ちそうになった兄を抱えなおして、
はまた歩き出した。
あの手の早いレヴィのことだ。
場所など気にせず手を出してしまうだろう。
「大変だな」
「?」
「綱吉が外でヤられる」
「そりゃイイや!王子楽しいことだあい好き」
「でも、ボスが許さないんじゃない?」
「それもそうね。止めに行った方が良いかしら」
「もう遅いんじゃね?」
「悠長な事言っている場合?」
「とりあえずさっき煙の出た方向へ行くのが良いだろうね」
明らかに戦闘中の向こう側。
はてさて聞こえてくる叫びはレヴィのものか、
綱吉のものか。
「」
「何だ兄さん?」
「向こう、楽しかったのかい?」
「まあまあかな」
「そう」
君を、こんな風にしてしまった罪を、
ボクはずっと背負って生きていくと決めたんだ。
自意識過剰でも何でもない。
ボクのためには・・・・。
「兄さんどうした?お腹でも壊したか?」
「何でもないよ」
「ちょっと2人とも」
「なんだい」
「今ポージング中よ」
「そうか。悪かった」
「お前等・・・・」
ちなみに今、
綱吉達の前に登場し終えたと言っておこう。
「レヴィ、外でヤるのは良くない」
「って、やっぱり、ヴァリアーのメンバーだったの?」
「言ってなかったか?」
「聞いてない!」
「う゛ぉおい!そんなことより本物のリングを渡しやがれえ!!」
「スクアーロ、五月蠅い。綱吉の声が聞こえなかっただろう」
「お前はどっちの見方だぁぁ!」
「俺はいつでも兄さんの見方だ」
「当たり前のこと聞かない方が良いよ。スクアーロ」
「そろそろ取り仕切らせて貰っても良いか?」
かくして、リング争奪戦は、
ぐだぐだのまま幕を開けたのである。