ここは、

[略]

家の邸宅。

[略]。

さあ今日も、の優雅な1日が、幕を開ける・・・・・・・。




筈。




ばたんっっ!!




様!朝だぜ!!」

「・・・・・・・」




爽やかに微笑んで、迷惑この上ない程元気よく

部屋に入ってきた執事。

しゃーっと音を出してカーテンを開ければ、

眩しすぎる朝日が差し込む。




「今日は門外顧問が来るのな!早く起きねえと間に合ねえよ?」

「・・・・もう少し静かに起こせないのかしら」

「はは!俺に静を求めなんて無駄だぜ?

威張る事ではありませんけれど?




目を擦り、ベッドから優雅に脚をおろして、

やさしく掛けられたガウンを羽織られた様。

ベッドにのり、自分を押し倒そうとしている執事を押し返しながら。




「早く起きないと間に合わないと言ったのをお忘れ?
そこまで莫迦になったわけでもないでしょう」

様こそ諦めろよ」

「変態と同じ扱いにしま「朝食の用意は出来てるぜ」

「(そんなに嫌なのね・・・・)」




木製の四角いお盆に載せられた和の朝食。




「日本から秋刀魚とりよせたのな!」

「頂くわ」




頂きますと手を合わせ、机におかれた朝食に手を付ける。

後ろから抱き付こうとする執事に肘鉄を食らわせるのを忘れずに。




「一変通りなその言動、どうにか出来ないのかしら?」

「ははっ!!手厳しいのな!」

「脳味噌には一体何が詰まってるの?」

様に決まってんだろ

脳味噌毎取り替えてきなさい

「それはねえよ」




ベッドに胡座をかいて、

自分の食事風景を見つめている執事に視線を移された様。

似非爽やかな笑みを浮かべる、胡散臭い執事を。




「武?仕事はまだ残っているはずでしょう?」

「どうでもい「さっさと逝きなさい

「お」




少しばかり顔を引きつらせて、

綺麗すぎる笑顔を向けられている様に返事して、

部屋を出る。




「はあ」




近頃溜息をつく回数が増えた様。

色々と気をつかうことが増えたからか。

暫くすれば、また豪快な音が響くのを知っているからか。




ばたんっっっ!!




様!!おっさん来たぜ!!」

「・・・・・・・和の客間にお通しして頂戴」

「判ったのな!!」

「(蝶番をもう少し頑丈に作る必要があるようね)」




どうやらお客が来たようで、

蝶番の吹っ飛んだ扉に哀れみの視線を向けつつ、

様はお部屋を後にされました。









「お久し振りです」

「でかくなったな」

「5年ぶりですか」

「そんなになるのか」

「そちらはどうですか?」

「どうもこうも、あがったりだ。近頃レートがな」

「でしょうね」




武の淹れた緑茶を啜りつつ、

目の前の、おじに目を向ける。

ここ数年で老けたように見えるのは気のせいではないのだろう。




「ははっ!くすぐったいのな!!」

「ところで市場の件はさておき、裏の事ですが」

「やめろって!!」

「がはは!ランボさんの勝ちだもんね!!」

「嗚呼、動きが怪しいのは・・」

「ぴぎゃあ!!」

「うおっ!泣くな泣くな!!」

「フィレッツオファミリー」

「なんだ、話が早い」

「男だろ!!」

「が・ま・ん」

「視察は既に終わっていますから。報告書です」

「偉いぞ!!」

「ランボさん偉いもんね!!」

「助かる。流石家の跡取り娘」

様!俺外で遊んでくるのな!」

「ランボさんが遊んでやるん・・」




かっっきぃぃん!!!




「失礼。それで、報告書の話でしたね」

「・・・・・・・嗚呼」

「それよりあの糞うざい餓鬼はどなたですか」

「あずかったヒットマンだ」

「心中お察しします」




糞五月蠅い執事と餓鬼に場外ホームランをお決めになった様。

電話で窓の修理を頼むのも忘れずに、

近頃にしては優雅なお茶の時間を過ごされたのでした。








様すげえのな!俺と一緒に愛のキャッチボ・・
(なんなら大気圏外まで飛ばしてさしあげます)