ここは、家の邸宅。

[略]。

さあ今日も、の優雅な1日が、幕を開ける・・・・・・・。




筈。




今日は珍しく1日オフの様。

朝から趣味に興じられていた模様ですが、

どうやら予定外のお客に、

その静かな時間もあっさり終わりを告げるようです。




「来るなら先に連絡してくださいと、この間も言った筈ですが?」

「いいじゃない!あたしとの仲なん・・「気持ち悪いですよ

「失礼ねえ。折角に似合いそうな御洋服一式持って来たのに」

「ありがとうございま・・・」




今までの経験から、開ければ後悔する事くらい分かっていたのに、

なのにどうして自分は開けてしまったのだろうか。





「隼人」

「はい」

「この服、跡形もなく燃やして、焦げ痕は地球の裏側に捨てて来なさい

「畏まりました」




すたすたと、さも当たり前のように去って行く執事を見送って、

変態オカマに向き直った。




「酷いわ!!」

「誰があんなおぞましいモノを着るのかお伺いしたいですね」

に決まってるじゃない」

「着ません」

「ネコみ・・「口に出さないで下さい。汚れますか・・」




どかんっっっ!!!




「・・・・・・・・」

「爆発音ねえ」




響き渡ったダイナマイト音。

それは十株くらいの不安と共に。




「すみません。ルッスーリア。ちょっと・・・」










「・・・・・・・・・隼人」

様いけません!コートも召されないで!お風邪を・・」

「隼人」

「すぐお部屋にあつ・・」

聞きなさい




様がお出しになった脚に、

綺麗且つ豪快に引っかかった執事。




「素晴らしい顔面ダイブは褒めるけれど、
誰がガーデンまで灰にしろと言ったかしら?

「申し訳ありません」

「まったく、これじゃ修復にかなり時間が掛かるわ」

「しかしあの服が触れて・・ああ!!
もしかしたらもう屋敷にまで感染しているかも!!!

するわけないでしょ

「どいてください様!すぐに爆破して・・「やめなさい」




鳩尾に華麗なパンチをお決めになった様は、

気絶した執事の襟首を掴まれて、引きずって行かれました。

途中の階段など、もの凄い音がしましたが、

もちろん様に害はありませんのでご心配はなく。




「困った執事ね」

「仕事は出来るんですけれど・・・・お帰りですか?」

「ええ。今度はに無理矢理着せる方法考えてから来るから

二度と来ないで下さい

「じゃあね」




笑って手を振る友人・・・・いや、顔見知りに、

本気で、ダイナマイトを投げつけてやろうかと、

お考えになった様ですが、

これ以上修繕にお金を掛けたくはなかったようです。

執事を引き摺ったまま、自室に戻られました。









「ん・・・・・・え?」

「やっと起きたの」

「今は・・・」

「21時16分よ」

「なっっ!!御夕飯は!?」

「隼人が出した物以外、口にするはずがないでしょう」

「今すぐ用意いたします!!」

「そうして頂戴」




自分のベッドからもの凄い勢いで飛び起き、

慌てて走り去っていく執事を見送って、

さあ今日は、どれだけ長ったらしい名前の料理が出てくるのか、

すこし楽しみな様なのでありました。




「ホント、有能な執事だわ」








(物覚えは小さい頃から良かったんです)
((話を聞くって言う単語はいつになったら覚えられるのかしら・・・・))