結局あの食事会は、何もないまま終わりを告げた。
彼女はボンゴレの敵なのだろうか。
けれど、主人と呼ばれた彼はきっと・・・。
「なに珍しく沈んだ顔してんだ?」
「なんでも・・・ないよ」
責めてさえくれれば、
お前が悪いんだと言ってくれれば・・・。
「ツッツナ・・・君?」
「どうしたの?京子ちゃん」
「お客さん・・・だ・・よ」
「誰?」
「・・・・・・・・・・・・・さん」
名前だけで、空気が凍る。
何故、彼女がこんな所に。
しかも、彼女は、ミルフィオーレの人間では・・・。
「入ってもらって」
震える声を抑えることが出来ただろうか。
扉をくぐった彼女は、
前と変わらず黒いスーツを着こなして。
「何のようだ?」
「何のようって。
自分のアジトに戻ってきて、何が悪いのか聞きたいんだけど」
「自分のアジト?」
「っ!貴方今の今まで敵地にいたって!」
「女王様さ、ホント、1人だけ成長してないんだから」
今も盤上の上にいるのに気付かない。
「ははっ」
「何っ・・「おい」
「リボーン・・・ちゃん?」
「ちょっと出て行けお前」
「リボーン!!」
「俺等はこれから、大事な話がある」
閉じた扉の向こう。
どうしても手に入らない女王の位置。
どうして?どうして?
王様だって、騎士だって手に入れたのに。
噛み締めた唇から紅が落ちる。
「また煽るような言い方する」
「お前よりマシだぞ」
「リボーン、大事な話って・・・」
「そんなものねえぞ」
「ええ!!??」
「此処にあいつを置いておいて、どうなるか分かってんのか?」
「っ!」
「あたしこれからあんまり戻ってこないしさ」
問題ないでしょう。
と、笑って手を振る。
もう、あたしは盤上に戻る気はない。
だから、遊びに参加する気もない。
それを、あいつ等は気付いていない。
「ホント、遊びたい人ばっかり」
「ちょっちょっと待って!!」
「何?」
「さんは・・・・・」
俺達の仲間なの?
「あさりボスはさ、何なの?」
「え?」
「あたしはね、キングをもう決めちゃったから」
だったら貴方は何なの。
「話にならないね」
「さん!」
叫んだときには、もう、扉が閉まった後だった。
もう、盤上には昇らないのだから、その意味を、
分からないと・・・・ね?