「楽しくなってきたね」
「そうですか?」
「ちゃんは、遊び、嫌い?」
「いいえ。どちらかというと好きな方です」
「だったら良かった」
画面の向こうに映るゲームの終演。
「仕事に行ってきます」
「行ってらっしゃい」
その心内など、どうでも良いの。
結局の所、私は・・・・。
白と黒に別れる廊下を、靴音をならせ歩いていく。
どんなことがあっても、
自分の決めた道を歩くと。
の自嘲だけが、薄暗い廊下に響いた。
爪を噛みながら盤上を見つめて、
償ってきた。
代償を払ったつもりなのに。
「京子ちゃん?」
「ツナ君!」
「どうかした?俺に用事?」
「うっううん。この頃、凄く忙しそうだなって」
「大丈夫だよ。慣れてきたしね」
王様になるまで育てたはず。
「綱吉」
「雲雀さん」
「報告書だよ」
「ありがとうございます」
「何か、ないの」
「何?とは?」
「それ以上はぐらかすと咬み殺すよ」
「つい先日、来ました」
「なんで僕を呼ばないの?」
「そんな!」
「10代目?」
騎士だって。
嗚呼、いらいらする。
「が、来てたって・・・」
「嗚呼、うん。今、その話をしてた所なんだ」
「いえ、来てたことが分かっただけで十分です」
「ちょっと、どうゆうことか説明しなよ」
「お前には一生分かんねえよ」
分かられてたまるか。
の行動の意味なんて、
いつだって、誰にも分からない。
分からないけれど、必ず何かしら考えているのだから。
そしてそれは、幾度となく自分を戒め、
救って・・・・。
「獄寺君は、さんのこと、信じてるんだね」
「うるせえ。黙れ。
てめえがの名前を口にするだけで、虫酸が走る」
「獄寺君!」
「それじゃあ、俺、仕事が残ってますので」
「ねえ!さんが裏切ってるって・・」
「ありえねえ」
「だって!」
「黙りなよ」
どうしてどうしてどうしてどうして。
「ツナ君!!」
「自分を、信じるって決めたんだ」
「じゃあ・・」
「ありえないよ」
それがどこから来るかなんて、分からない。
分からないから、
信じられるのかもしれない。
それを分かろうとするから、
分かった気でいるから、ほら、また。