本当に変わらないね。

やっぱり君も、同じだったのかな。

期待なんてかけるもんじゃない。

期待するのは、自分の行動だけで十分だと、

ずっと前に分かっていた筈。




「どうしろっていうんだ!!」

「裏切り者には死を。それが規則なんじゃないの?」

「これだから野蛮なマフィアは困りますね」

「怯えてる場合ではないぞ!」

「やっぱ笹川先輩もそう思うよな!」

「もう忘れちまったのかよ」

「あれは・・・・」

「あれは、なんだよ」




昔を悔やんでは、

今回は違うと言い聞かせる。

今度こそ、自分の目で見ていると。




「さっきから、何くっちゃべってんだ。お前等」

「何って、さんが・・」

が?」

「あ・・・・」




貴方は、何なの?




「仲間が殺されたんだよ!」

「だからどうした。は敵サイドにいるんだ。当たり前だろう」

「っ!」

「いつまでたってもダメツナのままだな」

「リボーン・・・・」

「話にならねえな。俺は自室に戻るぞ」




閉まった扉。

さんが、どうだという話を、

今此処でして、

それが何になる。

裏切っていたから、さんを殺すためにまた1人、

向こうに派遣するとでもいうのか。

裏切り?

そもそも仲間だと公言された覚えすらないのに、

何を持ってして自分達は、裏切りと称するのだろうか・・・。




「とりあえず、様子を見るよ」

「ツナ、仲間が殺されてんだぞ?」

「分かってる。けど、
それが日常茶飯事の世界だって事も、事実でしょう」

「ツナ!!」

「お前、成長し無さ過ぎだろ」

「獄寺」

「俺も戻らせてもらいます」




誰を、信じる。




「私も下がらせて貰いましょうかね」




少しばかり、気になることがある。

私の部屋に入り込んでいる鼠は、一体どなたでしょう。

まあ、予想は付きますが。




「私に何か御用ですか?さん?」

「普通に帰ってくると怒られるからさ、お邪魔させて貰ったよ」

「どうぞ。ご自由に」




私の部屋の窓辺に普通に立っているとは。

色々と施しているはずなのですが、

彼女には役に立たなかったと言うことでしょう。




「私を殺そうとでもしてるかな?」

「さて、行き詰まりましたから」

「過去にとらわれてる君に聞いても同じか」

「手厳しい」

「その答えで十分」




来た時と同じに、

まるで其処にいなかったかのようだ。

ふっと笑った彼女は、次の瞬間には消えていた。




すたすたとボンゴレ敷地内を歩きながら、

こんな警備状態で安心して眠れるとは、

本当に図太い神経の子供達だと思う。

そんな優雅な散歩も、額に当てられた銃口で、

止めざるを得なくなるのだろうけど。




「俺に顔も見せずに帰ろうとは良い度胸だな」

「話す事なんてないしさ」

「何故殺した」

「主人が殺せって命じたからね」

「嘘付け」

「ホント、リボーン嫌いだよ」

「光栄だな。それよりいつまでかかりそうなんだ」

「ちょっと分かんない。厄介なんだよ。いつもと違ってさ」

「そうか」

「ま、何が起こっても別に支障ないから、
好きにさせといて良いよ。リボーンも面倒やでしょ?」

「何もする気はないから気にするな」

「そっか」




降ろされた銃。

背中合わせに立つ意味。