災難か幸運か、いや、やっぱり災難か。

10年バズーカなんて大嫌いだ。




、出てこいよ」

おやつは机の上です

「いや、マーモンがおど・・呼んでる」

レモネードも机の上です

、オレ、死体になっちゃいそうなんだけど?」

なって下さい

「道連れに・・しねえ。しねえからマーモン殺気しまえよ」

?」

・・・・・・・・・・

?出てくる・・・よね?」

ファンタズマは返しますから

「出てくるよね?(じゃないと襲うよ?)

(なんか聞こえたぁぁぁぁ!!)




嗚呼。10年バズーカの阿呆。

つか、あの阿呆牛いつか殺す。




「ベル、もう君用無しだから帰って良いよ」

「ハイ。カエリマス」

今までのこと全部謝るから帰らないで下さい。ベル

・・・・・・・

「オレ、自分のこと一番好きだしい」

「待ってよ!!」




思わず扉を開けて、

翻ったコートの裾を掴んだ。

いつもからかわれてきた彼でも、今は、今は救世主だ。




?」




びくりと肩を振るわせて振り返れば、

自分よりも幾分か目線の高い、マーモンと目があった。

今では被られているだけのフード。

隠れていないその瞳は、自分を見透かしているようだ。




「マー・・・モ・・ン」

「さ、行こうか」

「ばいばあい」

薄情者ぉぉぉぉぉ!!!!




10年バズーカの故障で、此方にやって来て早数時間、

何故だかやって来た当初、彼は上半身裸にケープを手に持っただけ。

あっけらかんと、最中じゃなくて良かったよなんて宣いやがって、

小さかった頃は感じなかったルッスーリアと同じ空気を、

全員が感じたのだ。




「この時代じゃ、あんまりボク等出掛けてなかったね」

「(いや、あんまりというか、全然というか)」

後ろの出歯亀殺して良いかい?

ダメです。超ダメです




街中で、今にもトイレットペーパーに伸ばされそうな手を全力で遮る。

嗚呼、昔はとても可愛かったのに・・・・。

変わらないファンタズマを抱きしめて、溜息をついた。




「むむっ。楽しくなさそ・・「楽しいです!!死ぬほど楽しいです!!」




近づいてきた顔を、思いっきりそらして、また溜息。

エロさも増してしまったというのか・・・。

3時のおやつを持って行けば、

飛び込んできたうざい

放たれたバズーカは、たまたま、マーモンに直撃して。




「(あそこでレモネードを出したのがいけなかったんだ・・・・)」




とりあえず落ち着こうと、皆分紅茶とか珈琲とか、

彼にはいつもどおりレモネードを持って行った。

そしたら・・・・・。




ありがと




うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

「む。どうしたんだい急に」

「いっいえなんでも!!」




ほっぺたに残る感触。

無意識にそっと触れれば、また熱を帯びてくる。




「アイスでも食べれば?」

「あ、有り難う御座います」




いつの間に買いに行っていたのか、

両手に握られたジェラートの片方を受け取り、口を付けた。

甘酸っぱい、クランベリーの味が、口いっぱいに拡がる。






「は・・・え?」

「ついてる」




ぺろり。




「っっっっっっっっっっっっっっ!!!!!」

「言葉、喋ってくれるかい?」




早く戻ってきてください。

マーモン。

鼻血が危ないです。


貧血死します。





((10年バズーカか・・・)!?)
(何?)
(ま・・・・・さか・・・)
(マーモンが脱がせた癖に・・・ってあれ?小さい?)