「で、何処のファミリーなの?」
「だから何処のファミリーでもないっつうのに」
何故私は、こんな優雅にお茶を飲みながら、
黒服の団体様(決して暗殺部隊とは口が裂けても言わない)と、
お喋りに興じているのでしょうか。
「そもそもあそこに居られたのがおかしくね?警備どうなってんだよ」
「あたしが聞きたいです」
「一般人らしいな」
「そうですね。どっからどう見ても一般人ですね。
少年、面白半分でナイフ構えんじゃねえよ」
「ならどうして此処にいたのかしら?」
「だあから、あたしが聞きたいっ『それには俺が答えてやるよ』
何様宜しくの台詞を遮って、光の中から現れた男。
深く被りすぎたフードからは、一切表情がうかがい知れない。
明らかにマーモンのぱくりだろ。
ってな心中の突っ込みは置いといて。
「何者だ!」
『時空の番人とでもいうかね。ま、ぶっちゃけ神だ』
「良い精神科紹介しようか?」
『俺の頭はおかしくねえ』
いや、もう明らかに末期だろう。
そもそも自分のこと神様とか、王道すぎてつまらん。
『まあ、かくかくしかじかだから、面倒見てやれ』
「意味わかんね「これはなんだ?」」
またもや台詞を遮られたは、凹んでいた。
むしろもう、さっさと帰してくれれば良い。
びりびりと響く、これが殺気だろうかと、扉の方を見てみれば、
この黒ずくめ集団のボス、ザンザスが其処に立っていた。
自分の部屋入んのにポージング万全かよ。
「侵入者ならとっとと始末しとけ」
待ったの声も出す前に放たれた銃。
ずがんっと、
鼓膜が破れるのではないかと言うほどの音が響いたのだけは判った。
嗚呼、死ぬんだな。
そう思った。思ったのに・・・・。
「は?」
「貴様・・・何者だ」
こう、死を直感した瞬間、
全てがスローモーションで見えるのは間違っていないらしい。
それは判った。
それは判ったが、何故銃弾が、自分の前ではじけた?
『嗚呼、物理的攻撃とか、その他諸々、効かないような身体にしたから』
・・・・・・・。
「今戻せ。直ぐ戻せ。さっさと元の世界に帰せ。カス」
『落ち着け!落ち着けって!!!!』
「なあ、あいつ性格変わってね?超面白いんだけど」
「あら、珍しいわね。ベルが他人に興味持つなんて」
「ボス!お帰りなさいませ!!」
「邪魔だどけ」
「う゛ぉぉい。それでどうすんだぁ?」
『帰したいのは山々なんだが、この連載の都合上無理だ』
なんだかもう、そう、知ってた。
ぶっちゃけ自分が帰ったら連載にならないし。
こうゆう場合、未熟だったとか、時空の狭間の関係でとか、
もうちょっとマシな言い訳考えろよ。
とか思ったことは内緒で。
『ちなみに身体能力とかあげとくか?
あと戦闘だな。銃の扱いとかもあった方が便利だぞ?』
「帰れないのは判ったから、元の身体に戻せ役立たず」
『そうしたら真っ先に、そこのボスに殺され「戻せ?」
『判りました』
(神様、弱っっっっ!!!)
『じゃま、精々楽しめ』
「きもい。さっさと帰れ役立たず」
『(役立たずって2回も言った・・・・)』
きらんっと音が付きそうなウィンクも受け流し、
しっしと手を動かす。
しゅるりと自称神なる物体が消えた後数秒、
しーんっと静まりかえったままだ。
「えっと、これから(宜しくしたくも何ともないけど)御願いします?」
「何か聞こえた気がするんだけど・・・」
「気の所為」
「ふん。さっきの能力が消えたなら用済みだ。かっ消す」
「誰もあんたには頼んでません。バカンザス」
「てめっ・・・ころ「直ぐ切れるのはカルシューム不足ですか?」」
「貴方気に入ったわ!ボスにそんな事言うのは許せないけど、
度胸は満点ねvv私はルッスーリア、ルッスって読んで頂戴vvvv」
「了解。ルッス姉さん」
「まあ、良い子ね」
帰れないならせめて、せめてあの子と仲良くなって。
どうせなら楽しもうじゃないですか。
ここではしっかりする必要は皆無なわけだし。
そんな時だ。女神の声が聞こえたのは。
「ボス、任務終わったよ・・・・・誰、君」
「・・・・・・・・っ!!!!!」
そこにはふわふわと浮いた天使がっっっ!!!
違った。
ファンタズマを頭にのっけたマーモンが。
は>鼻血を押しとどめるのに必死だ。
「ここで面倒見ることになった・・・あ゛ぁ゛〜お前、名前なんだ?」
「ふぇい?」
「名前だよ。名前。何?言えねえの?」
「あ、です。・・じゃなかった。・」
「だ」
「ふ〜ん。まあ、ボクには関係ないね。部屋に戻るとするよ」
「あ、待って!!!」
「・・・・?」
「あっあの!!私の子になりませんか!!」
はぃ?