朝から甘ったるい匂いが充満する、暗殺部隊アジト。
朝から鼻歌が聞こえる、暗殺部隊アジト。
朝からくだらない喧噪が聞こえる、暗殺部隊アジト。
ヴァリアーは今日も平和です。
「う゛ぉぉ゛い!なんだこの匂いは!!鼻がもげるぞ!!」
「あら、良い香りじゃない」
「王子も好きだし」
「別にボクも平気だよ」
「しゅーーー(平気の意)」
「お前等、嗅覚大丈夫かあ?」
「お前は脳味噌大丈夫なのかよ」
「うるせええぇぇぇ!!」
「あんたが一番五月蠅いわ」
「それにしても、だろ?」
「また、何やらかしてるんだろうね。あの子」
「この頃、元気なかったわ」
「馴染みすぎだぞぉ」
「行ってみた方が早くね?」
「それもそうだね」
「無視すんじゃねえ!!!」
「はえが五月蠅いわ」
「五月蠅いって言う字はハエを含んでるんだよ」
「「「バカアーロ」」」
「てめえら・・・・」
そのころの厨房。
所狭しと並ぶスイーツの数々。
「抹茶コロン、紫芋のモンブラン、ザッハトルテ、チェリータルト、ティラミス、キルシュトルテ、紅茶のシフォン、カスタードプディング、サバラン、
ベイクド、レア、木苺のムース、ミルフィーユグラッセ、チョコレートブラウニー・・・。
うん。作りすぎたな」
今は3時のおやつ。
ちなみには朝から何も食してません。
注意しておきますが、僅か半日でお菓子はこんなに作れません。
冷やすのと焼くのとが混じってても無理です。
精々5つくらいです。
むしろクッキーバリエーション分けするのでも一苦労です。
クリスマスパーティーの為に、
クロッカンブッシュとタルト2種焼いただけで死にました。
まあ、その辺は、ドリーム小説ですから。
ふうっと一つ溜息をついたは、
付けていたエプロンを外し、並べたケーキを前に着席した。
近頃、雑念があっていけない。
夢主ならば、体力増強とか、特殊能力開花とか、
有り得ないくらい最強になるとかあるけれども、
私はそれを断ったわけで、
何の役にも立ってないわけだ・・・。
けれど自分でなくなる方が嫌だったから、
あの時、元に戻してと脅し頼んだのだから。
何も出来ないのが少し心苦しい。
だけど、しんどいことはしたくないなんて、我が儘な・・・。
いや、子守はしてる。
うん。子守と変態守はしてる。
「考えが行き詰まったら食べるに限るわ」
華麗にフォークを掲げてみても、
並びに並んだホールケーキやら云々を見れば、かなり異様な光景だ。
「さて食う「何してるの?」」
「マーモン、ベルにルッス姉さんも・・・どうしたんですか?」
「うん。がどうしたの?」
「うわっ甘っっっ!!」
「それは古い突っ込み?」
「良く作ったわね」
「スルーしましたね?」
「むむ。ボクの質問に答えてよ」
「ちょっと行き詰まってイライラしてたので、息抜きを」
「やけ食いだろ?」
「ぶっちゃけ言えばね」
「ぶっちゃけなくてもそうね」
「では、頂きま「珈琲は?」・・・・はい?」
「オレ紅茶ね。ストレートで」
「私はレモンティー御願いしようかしら」
「えっと、あの?」
「「「太るよ(わよ)?」」」
「其処は皆で食べた方が楽しそうだからとか言っときませんか?」
溜息をついて紅茶と珈琲を入れて、
ついでにナイフとフォークとスプーンを並べる。
「あら?」
「モスカ、ご飯はもうちょっと先だよ?」
「ぷしゅーーー」
「、君、モスカと会話できるの?」
「出来ないんですか?」
「む。出来るわけないね」
「つか食事?」
「油」
「「「嗚呼」」」
「ケーキは食べられないよなあ。ざまあみろ」
「何機械に喧嘩うってるんですか?阿呆の子ですか?」
「サボテンにしちゃうよ?」
「生クリームべたべたのナイフ向けないで下さい」
こんな平和なヴァリアーの昼下がり。
(ごめんね。モスカ)
(しゅう(機嫌なおった))
(うん。また明日から適当にやるよ。はい、ご飯)
(きゅいぃぃん(ありがとう。だいすき))
(私も。(一番の常識人(?)万歳))