桜が、気持ち悪いくらいに咲き誇って。
一体、誰の血を吸ったのだろう。
何人の血を吸って、何人の死を糧に、君は、どこまで・・・
「消え失せろ虫共ぉぉぉぉ!!!」
「なんだあ?」
「きっとね」
「十中八九だろうね」
「カスが」
「黙らせてくる?」
「放っておけ」
の作ったオレンジピール入り、蜂蜜マフィンを食しつつ、
フルーツティーを、優雅に口に運ぶ。
どちらも絶品だ。
「、また腕あげたね」
「それ、が聞いたら卒倒するわよvv」
「マーモン大好きだからな!!」
「五月蠅いよ。ベル」
話題にされていることなどつゆ知らず、
はまた、葉っぱにくっついているうにゅうにゅ動く虫を、
掴んで地面にたたきつけたところだ。
「は。害虫駆除終了」
「随分張り切ってたわねえ」
「直接彼等に恨みはないんですが」
「虫に恨みなんてあったら頭危ない子よ」
「いや、まあ・・・・」
「というか、、君、ホントに女の子?」
「ルッス姉さん、胸貸して下さい」
「えっち」
の涙は川を形成してゆく。
「つか、なんでそんな虫退治なんてしてんの?
頭おかしくなったわけ?」
「お黙りナイフ少年」
「で、結局はなんなんだあ?」
それは高校時代の要らない記憶。
虫を別に、そこらの女の子の如くきゃあきゃあ恐れる筈はなかった。
事から、やたらうざうるさかった彼女等に、
虫退治を頼まれ続けたという・・・・。
脚のない長い物体をぽいしたり、
潰したら臭い虫を箒で掃いたり、
百足が進化したような虫をティッシュペーパー1枚で潰したり。
諸々。
「まあ悲惨ね」
「思ってないでしょう」
まったく、女の子らしくないに、
少しばかり呆れて、
そっと溜息をついたのが、運の尽き。
「マーモンに嫌われたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「落ち着きなさい」
「!!ナイフ離せええええ!!」
「スクアーロそのまま刺さっちゃえよ」
「マーモン、なんとかしなさいよ」
「・・・・・・・・無理だね」
「なんとかしなさい?」
そこら中にブリザードが吹き荒れた。
どうやらの涙も止まったようだ。
ついでにスクアーロとベルフェゴールとマーモンもストップ状態。
「・・・・、行くよ」
「ぅえ?」
「ほら、早く行きなさい」
「はっはい!!!!」
すーっと飛んで行くマーモンを追いかける。
一本だけ植えられた、桜の木の下。
「むむっ。いつまで其処にいる気?」
「理性が保ちません」
「・・・・・・きら・・「逝かせて頂きます!!」
理性の全てを振り絞って、
ぽふぽふと叩かれたマーモンの隣に腰掛ける。
飛んできた虫を潰そうとした瞬間、
べろりと出てきた舌。
「ファンタズマ!!ぺっしなさい!!ぺっ!!」
「虫退治は任せれば?」
そう言って持参のレモネードを口に含む。
「・・・・今日のマフィンはどうでした?」
「まあまあかな」
「そうですか」
にっこりと笑ったとマーモンの間に、桜がひとひら舞い落ちた。
(ラブラブね)
(年の差ありすぎねえかあ?)
(俺等暗殺部隊じゃなかったっけ?)
(しゅあぁぁぁぁ!!(怒))
((後で術掛けておこう・・・・))